ラーメンを通じて知り合った先輩に、何やら新しい動きあり。新たな勉強を始めんとしておられて、その挑戦心というか迫力に圧倒される思いです。責務の大変重い仕事をしながら、まだ成長せんと頑張れるエネルギーがすごいよな・・・・。尊敬に値します。私自身も仕事にもっと身を入れ、新しい何かを手に入れないといけないなと痛切に感じるのであります。世の中グローバルが連呼されておりますが、さて何を始めるか・・・。
・・・・などと考えながら今回は品川駅の「天華」へ。実は前回も同じ名前の芝浦にある「天華」で食ったのですが、グーグルで調べたら全く同じ名前の店が検索された次第。かなり以前に自分でもブックマークしていたのに忘れてて放置して随分と時間がたった模様です。普通なら同じ名前だというだけで、そこ行って食おうとは思わない。だけども・・・たまたま「コショーそば」の風貌を見てしまったから、これは食わねばという意識が猛烈に働いてしまう。というわけで昼飯タイムに突撃した次第。
品川南口エリアって再開発されまくっていて、一見このビル街のどこにそんなレトロな大衆中華屋があるのやと思って心配したけど、割と素早く発見できました。「由○」さんの裏の路地を狙えばすぐに発見できます。営業中は黄色いパトライトが目印です(笑)。横に細長い店で結構年季が入った店構え。客同士が出入りに気を使って一体感が芽生えます。客の9割方がこのコショウそば」をオーダーするという・・・・もはや名物メニューです。
【スープ:コショウの海にダイブする感覚!大衆中華屋の思い切ったサイケデリックな攻撃!】
<既に成立しているトロ〜リ清湯スープに、敢えて胡椒ドバドバ攻撃ですよ!>
配膳の瞬間は、噂通りの麺顔に何やら達成感すら感じます。平日のみの営業スタイルとこの狭さと込み具合。路地裏の分かり難さもあって、いろいろハードル高いこの店にたどり着いてこの麺を会えたという感覚ですかね。それにしても、見栄えもへったくれもないところにむしろ、潔さを感じたりする。その攻撃的なる麺顔から、スープを頂かんとレンゲを沈めます。すると意に反した様相・・・・トロミ!片栗でトロミが入ったスープなのですな。これは意外!胡椒がすぐに溶けださず、表面の浮いているように見えるのは、こういう事だったのかと改めて計算高さに感心します。さらに恐る恐るスープを頂く・・・・。すると「実に清湯のスッキリした透明感ある味わい!」と感じる。旨し!そして次から次へとレンゲを投入し、麺を食いだすと・・・それはたちまち胡椒にまみれ切ってしまって、灰色のスープと化すのであります。ここから先は、胡椒の味わいとの長い旅立ちの世界が始まります。
うう〜む・・・・。胡椒なしでも十分に成立しとるやんけ・・・・。鶏ガラ系のサッパリした出汁と野菜の旨みがハーモニーしておりまして、病人でもスルスルと食えそうな軽やかで透き通る味わいがそこにあったのに。そしてトロミで食べごたえ感もアップでして、実にもったいなくも感じる。コショウそばと聞いて、コショウがないと成立しないものだろうと思い込んでいたのが、計算外でありました。しかし、なぜこの完成度に敢えてコショウを、それも親の仇のごとくの投入と相成ったのでありましょうな・・・。
<食い進めるほどにトロミが緩く・・・胡椒も幾分マイルドに・・・>
食べ進めると、なるほどと思えてくるのは、コショウも旨みなのだねということかな・・・。テーブルコショウ系なので高級感もまるでないのだけど、どこかハマる何かがあるのは確か。塩っぽいように見えて実は塩気少なく、コショウ感のみが強い。なのでコショウそのものをオブラートに包んで飲んでいるようにも思えた食べ始め。慣れたかどうかは分かりませんが、段々とジャンキーな旨さをガツンと感じとることができます。今でこそ、ジャンキーなラーメンは数あれど、昭和の時代に何かオモロイ麺ないやろかと考案したのかもしれまえせん。しかも日常にある調味料の類で、他に真似ができないようなアイデアというか・・・。そんな、実用新案にも登録したくなるその味わいが、段々とクセになる旨さと思えてきます。
何時までもコショウ一辺倒ではありません。熱で段々とモヤシが水分を放出してきて、トロミを薄くし始めます。と同時にコショウの尖った味わいの部分をカバーしてくれるかのように食べやすくなる。白菜の甘味を感じるほどでもないが、着実に野菜類が汁を放出しマイルド&アッサリに仕上げていると思いまう。
【麺:大雑把なようでしっかりとツボを外さない調理ぶりがええね!】
<実にクッシリしている茹で加減!大雑把なようでやるやん!大将!!>
中華鍋にお湯を張って茹で上げ、平ザルで一気に湯切りをするスタイル。実に年配者らしい無駄のない動きが大雑把にも映る(笑)。一応茹で上げのタイミングを見計り損ねないように、キッチンタイマーを使うという念の入れ方だ。されど、アラームONのタイミングと、OFFのタイミングが微妙にずれていると思えて、役に立っているのか立たんのか・・・実に面白く眺めていた。湯切りも、チャッチャという動作は殆どなく、鍋から麺をすくい取ったかと思うとそのままドバドバドバーっと丼に投入されるイキナリさ加減が、実に何かを超越しているかのように神々しい。その、大将の動きに目が釘付けであります。
さてそんな感じだったから、いかがな麺かと無意識に侮っていたようである。一口すすると・・・実に旨い。麺自体の茹で上げが偶然なのか(まだ信用していないのか・・・)、実にクッシリとしていて、麺の熟成度もそのグルテンの中に感じるという感覚。このコショウ攻撃の中にあって、風味を感じさせるのであります。トロミが重なりあってアツアツに感じられ、もっと食いたいと慌てて啜りいれるほどに、口の中を火傷する。基本的なストレート麺で麺の形も膨れた角ばった感じ。それがややソバージュー系のように捩れがあるように見える。その微妙なウェーブが実にトロミをキャッチしていい感じでスープとの一体感を高める。
<汁を吸うというより熱でグルテンが変化するという感覚か!?>
そんな感じなのでスベリは、「ヌメル」と言う感覚で束になって全体でぬるりん!という感覚。五目そばに見られるそのニュアンスと良く似ています。若干緩いという感覚があるのと、そして後半に更に緩むというところが別かと思えます。それは、一般的な汁を吸ってしなやかになるとか、しなるというのではなく、汁吸わずしてグルテンが熱でより柔らかくなったというか・・・そういう感覚。ゆえにいつまでもクッシリと食え、それでいて熟成感だけが後半なくなるような感覚を覚えております。いずれにしても、中華麺とトロミスープのコンビネーションは、実にテッパンと思えるのでありまして、これだけでも数段うまく感じることうけあいです。
【具:モヤシと白菜と豚肉の少しばかりの欠片しか印象がない・・・あとは胡椒(笑)】
はたして・・・具のイメージがあるかと言えはこれは難しい(笑)。白菜等の甘味を感じる前に、コショウの攻撃でやられたという印象でありますから、記憶に残っておるのは、味わいというより「歯応え」のみということに・・・。しかし、さすがわ中華鍋でささっと手際よく仕上げた感じがナイスでして、焦げ目が若干ついているところと、調理油の香ばしさが相まって・・・腕の良い中華屋たるニュアンスは十分に伝わります。できれば・・・・豚のコマ肉をもう少しだけでも増やしていただければと(笑)。もやしと白菜のみだったのではと今更ながら思えて、それ以上にイメージがわかない・・・。
総じまして、品川駅南口、再開発されつくしたような一角に佇む路地裏の大衆中華は、実にファンキーであったという顛末。しかし、関西転勤時代は、東京出張で数えきれないほど品川駅から新幹線利用させてもらったけど、そばにこんなにオモロイ麺があったとは、実に迂闊!足元をすくわれた思いを改めて感じます。侮れませんな品川界隈。なので詠います!
ターミナル
再開発の
ど真ん中
路地裏ひっそり
サイケな中華
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。
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