ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1257】 代一元 高円寺店 (東京・高円寺) 中華そば


 夏休みがないという悲しさが段々と癒えてきて、また秋まで取得できないという悲しさが襲ってくる(笑)。それもまた癒えてきて・・・・さらに土日もないという状況がまた訪れて、悲しさに麻痺してきたかもだ。一方ですっかり家族には呆れられているのだが、中々この状況は説明しても分かってもらない。忙しいのではなく、追いつめられているのだ・・・。追いつめてでも機能させようという指揮命令系は、海外では当たり前だとか、よその会社やベンチャーではみなやっていることだと言われたりする。そうかもしれないが、果たしてそれをどれだけ本当に見てきたのかエビデンスを確かめようがない。責任者出てこいと言いたい。






 ・・・などと考えていても現実は仕方がないので仕事をする。始発電車で出勤し夜そこそこの時間まで残業して帰るとしても、そこそこの労働をしている計算になる。夜8時前、閉店間際のこの店は既にガラガラ状態。心置きなく一杯に向き合えるというものだわ。疲労困憊で気が抜けた声で「中華そば」と女将さんにお伝えする。


 しかし、中々親父さんをはじめ調理を始める様子がない。何か大切な下準備の作業中で手が抜けないのだろうと茫然と見ている5分間。段々と心配になってきた・・・。すると女将さんが近寄ってきて「ご注文決まりましたか?」と告げられる。後でこの不可思議さを聞いたところ、「中華そば」というコールを「ちょっと待って」と言ったと勘違いしておられたとのこと(笑)。しきりに恐縮されておられたが、私ももう少しハッキリと伝えるようにしないとねと気持ちを切り替えたりする。そんなドタバタがありましたが、なかなか最近食した中では、淡麗の極みという大衆系ラーメンでございましたわ!

  








【スープ:昔ながらというより、首尾一貫した東京クラシックという淡麗醤油!】


<これぞ東京クラシック!胃もたれ皆無なスッキリ系>


配膳の瞬間、それは極めて見慣れた光景なれど、なぜかしばらく凝視をしてしまう。極めて標準化されたクラシカルな麺顔。すでにそれ自体が、トレードマークのような存在感ある趣を醸し出します。昭和の中華そばがタイムスリップしてきたかのような、現代とは場違いな空気感をまとって、それはもはやオーラですな。余計なトッピングがないので、いよいよ持って研ぎ澄まされたような感覚もおぼえます。


さてそのスープですが、店内の告知のようにまさしく「胃もたれ」するわけがないという崇高なスッキリさです。雑味が全くありませんし、味の引っかかりがまるでない。一歩間違えば、薄いとも受け取られる寸止め的なキワキワ感がええですね。つまり、塩味が塩に頼り切っておらず、素材の旨味感だけで成立しておるかのようです。


しかし見た目はしっかり醤油スープの風貌。清湯とはいえ、懐古大衆系を思わせる少しばかりの濁りも確認します。このさらさら度合いですから、海苔の溶け出しも早かったかな。昆布か魚介かわからないほどの煮出し感覚が、全体をとても落ち着かせる。柔らかさを通り越し「染み入る」と言った印象が支配します。






<醤油ならずも豚コクさえも淡麗!染み込むという感覚>


醤油のカエシと言った感覚薄くとも、ゴクゴクと飲ませるのは旨味の煮出しがあってのこそ。個人的には、豚肉の丁寧な煮出し感を覚える。豚骨を静かに煮出すのもありなのでしょうが、コラーゲンの豊かさ排除でここまでスッキリと旨しと思えるのは、なかなかのこと。


きっと昭和の初期のラーメンというのは、この程度の肉コク感覚でとっても豊かに感じ取れたのではないでしょうか。現代は味がどうしても濃くなってしまう食生活において、この淡麗さは考えさせられる。まさに東京クラシカル。昭和のいい時代感覚が、この一杯を通して蘇るようです。








【麺:多加水系のクラシック感覚・・・全然今でも新鮮なクッチリ歯応え感覚】


<オーソドックスな多加水ストレートがむしろ粋と感じる>


 これまたオーソドックスな「中華そば仕様」な麺です。特別なものを感じないのですが、麺顔とスープの淡麗オーラに既に支配されておりますな・・・・。練り水のケミカル感少なく、非常に日常的で親しみある高級感とはオーバーな言い方か。明らかに多加水と思えるその麺の見栄えですが親しみを覚えます。前歯のスパスパっとした切れ込みもナイス!そして奥歯へ送り込みクチリ!という表現は何度書き連ねたことか。でも飽きないから仕方がない。だからそのまま書き続ける・・・・。


 というか、今回についてはこの定番さこそが「粋」と感じてしまった次第。古くさいようですが、一周回って新しさを知るとくか・・・温故知新までの一歩手前の大衆的な教訓的な何かを知らしめてくれる。





<後半はしなやかさが半端ない!>


冒頭では芯がないものの、ちょいと風味を感じる仕草。そんなクシリとした歯応えが印象的ですが、後半は汁を吸うと言うより余熱でええ感じに仕上げがかかるといった感覚です。なのでモチモチとした感覚が増すものの淡いクシリ感覚が最後まで残ります。スパスパと前歯で千切る仕草、奥歯でクシクシ・・・後半プニプニする感覚がたまりません。


滑りも誠にオーソドックスでして多加水のそれです。素直に高速にスベる抵抗感は、啜り上げでは最高のエンターテイメントなのです。







【具:豚肉でさえも淡麗と響く味わい】


 これまた・・・・久しぶりに「エキスの抜け」が旨いと思わせる懐古系なチャーシューですな。肉味とは、脂質とイコールではないと今更ながら教えられた思いです。スープへの貢献が実に伺えるニュアンス。抜け具合が、むしろ粋です。バラ肉でなくロースという点も、単に脂の旨さを追い求めたのではないという律儀さを感じます。肉は赤身。私の実家の趣向や流儀にもマッチしておりましてこれは個人的にはナイスですな・・・・・。








 総じまして、仕事に追いつめられてヘロヘロ体調のオッサンがグビグビと男前風の飲み干しても、胃袋に何の負担も与えないというスーパークラシック!麺とのハーモニーもいいし、具が潔いほどのシンプルさがまた逆にそそられる。〆のラーメンにも良さそうだけど、こちら閉店時間が早い上に、アルコール類を一切メニューから外すといった、まさにラーメン魂なお店。味を変えない頑固さというか、生き方変えない心の強さも感じますよ。こういうお店、大切にしたいと思います。なので詠います!



   夏バテか
   仕事疲れか
   夏風邪か


   それでも完飲
   染み入る淡麗



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!



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