最近、夜遅くなると高円寺でさらっと食って帰ることが多くなっているのですが、例によって座れたところで爆睡した(笑)。気づくと終点の三鷹駅でして、折り返し運転で乗り込んでっくるお客さんに起こされてしまいましたわ・・・。何となく「大衆中華」と
気分なので、三鷹駅の南口のとある店へと向かいますが、勘違いして入った路地裏が実にいい味わい。暗闇に黄色い看板が揺らめく。ふらふらと明りに吸い寄せられる蛾のように、無意識でそこに向かいますがな。「長崎ちゃんぽん」というフレーズがいいねと、何となくしっとりした気分で、予定変更で入店いたしました。
【スープ:豚骨風味が野菜で柔らかに!覆いかぶさる海鮮の味わいがさっぱり味】
<ちゃんぽんは・・・・・、塩豚骨だということを改めて教えていただきました>
それにしても、このまったりとした夜の中華屋というか「ちゃんぽん屋」の居心地の良さは何なのだろう・・・。人気がないわけでもなくそこそこ他客がいて、テレビを見ながら、ちびちび晩酌やりつつ・・・、厨房は時折入るオーダーに中華鍋をふるい、人気が少なそうで寂しくもない・・・。まさにオッサンの理想郷的な店の雰囲気を味わいながら、たった5分でちゃんぽん麺が完成し配膳されます。家族経営的なアットホームさもいい!
さてさて、そんな雰囲気なのでハンドメイド感が漂う麺顔なのだが、まずはスープをすすると・・・・、いやはやあっさり!まさにg魚介の出汁が染みていて、豚肉の炒めに染み込んだところを食むと・・・これまた食欲が止まりませんな。野菜の旨味以上に海鮮の滋味が一杯に広がりますよ〜。ただ、今更ながらに思うことは、風味の輪郭に「豚骨」のエッセンスを感じたということかな・・・。何せ白濁とまではいかないものの、豚骨の煮出し感覚は確実にあるのでして、その海鮮にほかにベースになっている軸は、明らかに豚骨なのです。その匂い・・・・確かに感じるのだけど嫌味にまでは発展しない。
そうそう・・・・魚介塩系なスープと勘違いしとったけど、塩豚骨が基本で、そこに野菜&海鮮が加わったという味の構成やったね!久しぶりのちゃんぽんなもんで、こういう感覚を忘れておりましたわ。
<とは言え・・・・・、野菜の甘みが滲み、やさしさ含むマイルド&あっさりなのです>
魚介と豚骨の両輪で旨さに拍車をかける!といいたいところだが、正確には旨さの三つどもえやね!野菜炒めが実にいい仕事をしているといわざるをえませんな・・・・。とくにキャベツは言わずもがなでして、やさしい味わいと甘みが出汁を旨く調整しておる構成です。そして・・・・もやしが実に良い。普段のもやし炒めでは後半水っぽくなる食材なのだが、スープの塩気をマイルドにしてくれる効能があると察します。それに、かまぼこからも何かした出汁に似たエキスを感じるのよね〜。
いろいろな具材がごちゃまぜになっているのに、一体感がある旨さ!これがちゃんぽんの醍醐味であって、異文化をいろいろ取り入れてきた長崎の風土というか土地柄が生んだ一品ということことにすごさを感じますな。
【麺:このスパスパした切れ切れ感がめちゃええねん!軽快さとしっとりさが共存】
<さすが、ちゃんぽん麺!スパスパと切れ込む軽快さは、右に出るものなし!>
分かりきっていて、驚くことが2つある。一つは麺の形状。まさに直線的というか、永遠なパラレルを感じさせるその流れ。麺をリフトした瞬間に美しいさを感じます。そしてその麺の切り口の丸さが実にかわいい。ストレート麺は角麺の方が美しいと思い込んでいたけど、丸麺も表面がキラキラしていると、とても美しいと感じますな。
そしてもう一つは、やっぱりその歯ごたえ。特に前歯の歯ごたえがまさしく独特です。このスパスパと切れ込む軽やかさと抵抗感のなさは、天下一品ですよ。どこのちゃんぽんでも似たような感想になるものの、今回のは特にスパスパぶりの抵抗感の低さがとても気に入った!麺の密度感が低いという感覚もありまして、柔麺でもないのに柔らかいという不思議な感覚がそこにあるわけです。
<そのくせ、バクバクと汁を吸い込むのがかわいげではないか>
ご多分に漏れず、ばくばくと汁を吸うのです。そして、汁をすってこそちゃんぽん麺の醍醐味と感じさせる何かがありますな。とくに中盤から後半にかけてのしなやかさへの変化がいいです。軽やかと言えども、やや豚骨の特性があるスープが吸い込まれているのに、その特性こそが、麺の中で塩気とか旨味に変化しているのですかね・・・。実にちゃんぽんの麺は、楽しみが深いです。
【具:ある意味具がメインなのかも!?カマボコ一つで雰囲気も変わります】
<貝系の旨味もじりりと染み込むところが具のいいところ>
アサリの身がむき出しになっているのだが、生からかどうかは別にして、貝からでる味わいというのは実に深い!滋味というやつですよ!それだけに、豚とか野菜に目がいきがちですが、おっとどっこい・・・・ええ出汁効かせてまっせと言わんばかりに、アサリを見つけてわざわざ噛み締めると・・・・存在感ある旨味が滲みでますな。当然ながら野菜の味わいは文句ない。甘みも含んでいて芯も感じさせないキャベツはどこを食んでも、旨いと思える食感でしたよ!
<やはり、かまぼこ&ちくわの競演でこそ!ちゃんぽんめん!>
忘れてはいけないのは、かまぼこ。長崎ちゃんぽんにはトレードマークと思えるほどの、ピンクの短冊切りのあれである。これがあるとないでは、全然ちゃんぽんという魂が違うのであります。このかまぼこも実に単独で食うと、素朴で旨いのであります。そして・・・かまぼこのお供かどうかはしらんが、ちくわもいい!おでんにしてもなかなかいい仕事をする具材「ちくわ」ですが、ちゃんぽんにあっても・・・・いい出汁を効かせますぜ・・・・。焼きちくわが汁を吸い込んで焼き目がへなへなになるタイミングが一番のオススメ!
総じまして、夜に静かに食いたいな・・・・という気分には最適のお店で、なかなかの大衆ちゃんぽんです。まだ本場長崎で食したことないので偉そうに言えませんが、等身大レベルの本格派といったところでしょうか?大衆の食べ物は、大衆的な雰囲気で食うのが一番ですよ。このほかに、ラーメンと長崎ラーメンという別メニューもありまして、その違いに微妙に気になるところもありまして、ここはまた食いに来るだろうなと・・・・心に誓います。駅近いのにどこか暗い路地裏でひっそりしているところもナイス!なので詠います!
路地裏に
鄙びたようで
プチ繁盛
止まり木気分で
ちゃんぽん啜る
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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