残業がのっぴきならない状況とあいなりまして、誠に不自由なのであります。欧米の方々はたっぷり余暇とか休暇を楽しむと言いますが、それなりの方はDAY TIME には24H体制かと思うほどにここぞ!というポイントでは働きます。私はそんな偉い人間でもないのですが、今はそいういうタイミング。やれやれ・・・。仕事を本格的に持ち帰り、自宅でこもります。
そんな週末。さすがに疲れまして、ソファーで一休みするつもりがそのまま寝込んでしまい朝を迎えました。「しまった!」慌ててメールを覗き込みますが、状況は変わったところなく、ひと安堵という週末です。今、私をのぞく家族は海外旅行に行っておりまして、まさかこんな状況とは想像してないだろうなと思う。「久しぶりに独身生活楽しんでね」と明るく旅に出て行った嫁はん。帰ってきたら、まず掃除だけはしてもらおう。さぼっているから堪忍してねと心の中で唱えます。
・・・・ええい!お掃除するつもりだったけど、魂が急に自由を求めているぜ!外は夏らしい好天気だぜ!久しぶりにステアリング握ってどこか遠くへ行かないか!?・・・・とあいなって仕事の手を安め、遠くへ出かけることに!あてもなく、それとなく西!と考えると長らく放置していたあの店を思い出して・・・・青梅方面へと車を飛ばします。今回は急に思い立っての遠征訪問。「いつ樹」さん。ほんとうに行き当たりばったりの生活でええんかいホンマ・・・。
【スープ:崇高魚介を惜しげもなく!まったりと仕上がる鯛コクと塩気!】
<確かに鯛の上品さ漂う塩気!じっとりとくるアラの醍醐味>
訪問時はちょうど満席になった様子で、一人外待ち状態。されど後から来るわ来るわでたちまち行列です。付近の家族連れも多く人気度が伺えますな。7割くらいがつけ麺を食しておられたような記憶。されど鯛塩はそうそう都心では食べられないので、初志貫徹で食する次第。
配膳の瞬間は、なんとまー、優しい色合いなのでしょう!春のパルテルカラーのような麺顔に、想像を絶します。鯛の塩とくれば・・・個人的になんとなく潮汁のようなものを想像していたのですが、さにあらず。まったりとした濁り具合が興味をそそります。味わいだすとこれまた面白い味の立て付けですね・・・。
まず鼻孔を駆け抜けるのはやはり鯛!その味わいは、舌にはっきりと塩を結びつけながらも鯛の風合いを打ち付けます。そしてアラの汁を食ったときのような海鮮の明るさもちょいと感じさせる・・・・。ゴクゴクと飲み干すほどに、その鯛のニュアンスは慣れてくるどころか、ますますその存在感をあらわにしますがな・・・。塩味と鯛の融合という感じが確かにいたしまして、見た目のやさしさとは裏腹に私にとっては濃い味わいでありました。
<さらさら豚コク?ベースに別格の食べ応え感あり>
しかし魚介一辺倒というのでは決してない。食中食後のまったりとした満足感は、やはりどこか豚とか動物系の旨味成分を感じる次第。豚骨というようなガッツリしたのではなく、豚肉エキスとでも呼んでおこうかしらと・・・・。その動物系のエキスがこの濁りに関わっているのかもと、誠に勝手ながらの推測です。
麺の風合いも徐々に入り交じり、エキス交換をしているのがよくわかる。濁りだすほどに麺と汁との一体感というか、全体が「まろやか」に感じる・・・。最初、少し塩分がでてるなと思ってたけど、後半はまろやかとなり、まとまりが出てくるという印象。
【麺:ニュルニュルとすり抜ける快感と優しい歯ごたえ・・・太麺和み系】
<うどんライクなニュルリンとした地肌にプニプニした弾力>
常連さんは「カタメ」とオーダーしてたけど、選べるのなら先に言ってほしかったなと・・。しかし、デフォルトの麺もこれはなかなかでございましたよ。まず表面と中心部が最初の間だけ二層に分かれているかのような風貌です。表層部分は少し分厚めに「ニュルリン」としたスベリ心地でつかみどころがないような・・・面白いスベリ。そこをガツっと箸でつまみ、歯で押しつぶすのですが、モチモチとしたような・・・・もっと淡く「プニプ二」としたような弾力感があり面白い。多加水麺でありましょうが、粉の風味感をすごく生かしたような打ち方が印象的。故にスープを思いのほか吸い込む量が多いのでは?と推察もしたりする。なんとなく・・・うどんライクにも感じる食感なのだが・・・こういうとファンに怒られるでありましょうか・・・。
<太麺でプツリプツリと小気味良く>
そうそう・・・前歯の辺り方がスパスパと切れ込むようで少し粘りがあるような切れ味。短いタップがそこに入り込むよう。なので「プツリプツリ」という擬音語しか頭に浮かばない。そういうとことが、決定的にうどんとは違うところでして、練り水の特性ってのがよく出ていると思える。なるほど、この麺なら少し固めだとまた面白い歯ごたえが生まれそうだ。それにつけ麺にして〆ても良さそうだ・・・。ちなみに、つけ麺用の麺は、全粒粉を少し配合しているようで地肌の風貌がこれまた違う。こちらは、スープもタレも特徴的ですが、麺もいろいろ工夫しているようで、やはり来て見て食ってよかったと思えてしまう。
【具:メンマがアーティスティックですな(笑)】
<柔らかいバラ肉系!汁を吸わせて食う薄味系!>
軽く表面には漬け込みダレの風合いを残しますが、全体的に高級感あり、柔らかさはシルキーで、繊維にそって適当にほぐれるような感触がまた何とも言えないのですわ・・・。これなら、白飯にも合いそうですが、ちょっとそれもったいないと思えるほどのできばえ。焼酎のロックと共に食ってもいけるかも。混雑していなければ、車でなければ、お酒とチャーシュー皿でゆっくりと過ごしたいものです。
<ハードに見えて柔らかいメンマ>
もはやトレードマークのようなメンマですな。この形状、この分厚さだと、もしも固かったりすると、繊維が歯の間に詰まって厄介なことになりそうだ。そんなことはないだろうと頭で思いつつ、ちょっと警戒してしまう。しかし、一口めからそれは老婆心に変わる。シャクリ!と実に軽快にちぎれるのだから嬉しいではありませんか!味は見た目以上には濃くない。そして味わいとしても非常に落ち着いた系で、斬新なカットからは予想外しの正統派な味わいと余韻を残します。
総じまして、エアポケットのような・・・真夏の6時間に心の旅にでて一杯!夏休みらしいことを先にさせてもらった次第。あとは、仕事と家庭サービスに全霊を尽くしますぜ!いろいろありますが・・・すべて前向きに考えてやっていこうという力が漲りましたわ。日頃の生活を断ち切って、考えることって、すごく大切なことかもしれない。いろいろな土地に、いろいろなラーメンがありまして、それに惚れ込んでいる人たちと一緒に啜る。行列待ちの袖すり合う中での立ち話もなんだか新鮮。生き方っていろいろあるのよね〜ってつくづく思うと、まんざら世の中退屈でもなさそうですよ。なので詠います!
夏の雲
もくもく上がる
空高く
高速飛ばす
その下目指して
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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