フードコートの一杯とは言え侮れず・・・・の教訓は川崎で得たり!なら品川ではと乗り込んでみた次第。このブランドなら東京駅でも、品川駅でも食える。なのにわざわざフードコートに来るのは・・・・なんとなく広いところでゆっくり食えるかと勘繰った次第。ランチタイムの完全なピークアウトな時間帯に、誰もいないかと言えばそこそこサラリーマンがあちこちで疲れた表情をして、食べ終えた丼を前にスマホいじってボーっとしておられます。今や死語になったか「企業戦士」の休息の縮図がそこにある。ああ・・・同志たちよ、一緒に啜ろう!と思ってたら、どこかの修学旅行生が、どかどかとやってきて何か甘いものを頼んでたむろしだした(泣)。おじさんたちの戦士の休息はあっという間に霧散した。
【スープ:魚介の甘さが醤油で補強したかのごときの円やかさ】
<甘めの醤油だれに魚介のコクが広がる展開>
ぴぴぴーと呻りながら震える物体にビクッとしながらも、受け取りに行く。そこで麺顔に対峙するというスタイルがフードコートの面白いところ。対麺の瞬間に思ったのは・・・・
おお!マットな色するファンデーション! まるでマックスファクター!
この色合いを例える日本語を私は知りません。ラーメンレビュアーになるには、色彩学も学ばねばなりませんな。とにかくはっきりと濁った茶色なのだけど、白みがかっているため、女性化粧品の色合いにも見えるのだわ。ここに魚介の存在を明らかに感じるわけで、事実その味わいはその系統ならではの甘味を放出する。しかし、このスープは味わうとうっすらだけど、二段仕込み甘味を感じる。やさしい甘さとしかりした甘さ。しっかりしたほうにどこか、醤油ダレのニュアンス、個性を感じてしまった。決して初めての感覚ではなく、ラーメンラバーなら食べなれた甘さ。ゆえに安定したとも言えなくもない。
<豚コクと鶏ガラの煮出しは十分感じる>
コラーゲン豊富というわけでもないのですが、動物系のボディーもスマートにしっかりと感じる。表面の香味油を透かしたスープ成分のうごめきに、豊富な旨みを感じ取れるかも・・・・。鶏のモミジとか、豚のカシラとかちょっと個性が強そうな部位は排除したようなスッキリ感もありなむ。そして、しっかりと煮出した豊潤さもそれなりにあり、コクという点ではバランスよくまとまったのかもと、一定の評価はしているのです。
【麺:見た目に風流で見た目以上につるつる滑る】
<加水高めで風流な姿〜全粒粉の存在感>
ひるがおがどんな麺だったかも、すぐには思い出せなかった(泣)。麺リフトの瞬間にそうだったっけ?などと考え込んでしまう。でもそうそう!全粒粉混じりだったのは、ぼんやりと思い出している。全体的にコンテンポラリーな一杯なので、こういう風合いの麺は比較されて風流にも感じる。2〜3本引っ張り出して、風味を味わうが、スープのからみが良いのでそういう粉感はない。
されど、加水高めな風合いで、練り水の特性か・・・全体で弾力を感じさせる。芯でコシを感じるタイプとは対極のような弾力感。スープとのコンビネーションとしても、悪くないかもしれません。
<ざらついて見えて、むしろつるつるなスベリ>
勝手な思い込みのせいなのですが、想像以上に滑るのです。表面の微妙なざらつきを体感できるほど、私自身が敏感ではありませんが、ぬめりを完全に排除した瑞々しさに、スープがぴっちりと張り付いた感覚。すすり上げるとスープの持ち上げが非常によろしくて、スルスルとすべる。この感覚は、楽しいかもしれません。
【具:何気ない味玉に随分と左右されてしまうのです(私個人の話)】
<むしろ普通さがいいね・・・チャーシューの話>
旨いのだけど食べなれた感ありかな〜。ばら肉スライスで醤油ダレ過ぎるところもない定番なる味わい。なれど、スープの影響をすごく受けて、スープ味が肉味を上回る感覚。脂身もしっかりあり味わいとしては悪くないのであしからず。ただ、酒のアテになるというより、ラーメン専用という機能フォーカスしたような仕上がり。悪くない。チャーシューメンにしてもよいけど・・・・英世一枚は痛すぎ、それを超えてでもというほどでもなかったというこの日の気分でした。
<半分でも嬉しいもんだ!味玉の存在感!>
この半分の味玉があるとないでは、食後の評価が大きく違うと思うのは、私の貧乏性ゆえでしょうか。味玉であまり失敗することはなく、見た目も味わいも完璧な一品。食べるという流れの中で、箸休めにもなり、クリッピングポイントにもなり、この存在感はとても意義あると思います。ひとこと・・・・うまし!金があったら、毎回トッピングに加えたい。
総じまして、昼間から夕方の移動中に昼飯も食えず、ヘロヘロ状態でたどり着いた一杯。たとえフードコートでも、それなりにしっかりと楽しませてくれる時代になったと実感するこのごろです。本当に、技術の進歩もあるのか・・・食って残念な思いすることが減ったと思う。どこでもうましなラーメンを食える国は、幸せな国に違いない。なので詠います。
昼過ぎて
気だるい湿気に
梅雨感じ
だらだらしては
ずるずると食う
お粗末!ということで家族に感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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