ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1170】 「   」:無銘 (東京・神田) 熟成練り醤油らーめん

 


ううむ・・・、徐々にエンジンがかかってきたかと思えるこの頃。今度の仕事は、出来るだけ計画的に物事を進めて整理整頓の鬼に徹してやろうと思っていたのだが、どの仕事も期日が同じタイミングであったりするから、それなりに重圧をリアルに感じ始めているこの頃です。


 整理整頓・・・・実はとっても好きな言葉でして、生活感溢れる雑貨屋にいるより、無機質で生活感とは全く無縁のホテルロビーが好き。実のところ、自分の家の中もそうしたいのですが、うちの嫁さんは、いろいろと飾りたい性格であり、さらに息子もその性格を受けていて自分の描いた絵などを壁に貼って飾りたい性格。生活感ありありの自宅リビングなのです。


  それはそうと・・・・液晶テレビ画面にまで絵やメモを貼るなよ・・・・


 四隅の小さい範囲なら、何を貼ってもいいと解釈しているらしい我が息子。嫁が不思議ちゃんなら、息子も不思議クンであるわ。



 ・・・・などと考えながら、ガッツリと食いたいという空腹感が漂う夜。しかし、9時も回ろうとすると二郎系を食うのはご法度。ならばとちょいとヘルシーな大盛りを食おうと、丸の内にあるとあるタンメンを目指します。なれど・・・行列がかなりヒドイ。私のようなサラリーマンがそんなに多いのかと、東京駅のイルミネーションの下で両肩を落としながら、重い足取りを引きずり駅ホームへと向かいます。


 そんな不運に見舞われながら、次に神田大勝軒を目指します。しかし、神田駅ホームに降り立つと新店開拓に心変わりしてしまいました。たしか、心のなかでブックマークしたまま放置していた店があるはずと思い出したからです。心の中にぽっかりと虚無で穴のような空間。そしてリアルな空腹感が一杯の胃袋の何もない空間。それと・・・店の名前自体が空間を示すようなラーメン店。名前が無いようであるような・・・あるようで無いような、興味をそそりまくりなお店。その名も「   」。空間を読め!と言っているのか。リアルなビジネスシーンでも、その場の空気感を読めない私には無理だね。どちらかと言うと性格が悪いので、穿った読み方をして、「カギかっこ」と名付けてやろうかしら(笑)。



 そんなニヒルかシニカルな思いを抱きながら入店を果たすと終了間際か先客が一人だけ。そこへ丁寧なというか誠実なお出迎えを受けてしまう。その途端に一気に空腹感がMAXだ・・・。食券を渡してからは、もう何も考えられずに頭と心を空っぽにして、待ち続けること7〜8分。その問題作は目の前にやってきたのであります。

  






【スープ:洋から和へ・・・そして淡から濃へ・・・変化自体を楽しむ】


<最初は、淡い塩味の鶏白湯が優しく広がるヘルシー系>


 実直そうなご店主の教えに従い、最初は素のままのベーススープを味わう事にする。スープ表面に店内の照明がハレーションを起こすが、それだけコラーゲン感の豊富さが伺えるというものだね。なんだかんだ言って鶏のコッテリ系か?と穿った予測をしながらもスープをおもむろに啜り出すと・・・いやはや、正直言って上品で優しいと感じてしまう。



 確かにそこにある塩加減は、きっぱりと「淡目」であって、濃い味覚が大好きな方だど無味に感じる危険性もある。だけども、じっくりとスープの素材感などを確かめるように味わうと・・・実にヤサイ等も含んだいろいろな優しいエキスの集まりだということが分かります。丼の端に現れる泡もコクっぽく見せかけてくれる。モミジなど多用せず、敢えて淡目なテイスト仕立てであることは、個人的には高評価に映る。




<後半一気に醤油の塩気!それを上回る香ばしい魚粉の攻め>


 しかし、そのまま淡い味ばかりでは少々飽きてしまうので、またまた店主の教えに従い、「熟成練り醤油」をスープに徐々に溶かし出したりしてみる。溶け際で改めて発見するのは、かなりザラザラな成分が実は入り交じっているということ。もっと味噌っぽい粘着性のあるジェルっぽい溶け出し方かと空想していたのですが、大いに外れた。



 そして適当に溶け出したところで、味わって見るとなななんととととと!「魚介」フレーバーが一気に広がりますがな!練り醤油というフレーズでもっと発酵由来なカエシの塩っぱ味を連想していたのですが、塩味より先に、「魚介の香ばしいフレーバー」感がぶわっと一気に広がり出すから驚いてしまった。練り玉を完全に溶かし出すと・・・豚魚ならぬ鶏魚なイメージに一変するのです。この変化が、洋から和への変化という設計なのだとはっきりと理解いたします。







【麺:食べごたえあるクッシリ平打ち!ボリューミーだがもっと欲しくなる】


<歯応えしっかりした茹で上げナイスな平打ち縮れ!>


 非常に個性的なスープに対峙するように、この麺も実はキッパリとした主張すら感じる個性的な麺なのです。平打ち型で縮れ・・・・というより太麺にしては多少柔らかいウネリ系。しかも、茹で上げのコントロールが素晴らしい。平打ち太麺でも、表面に薄らと透明の層が視認でき、その下には歯応えを感じさせそうな、芯に当たるような部分も見え隠れ。それを前歯で差し込むと・・・・いかにも分厚い抵抗力の中に「クシリ」とした確かな手応え(いやいや歯応え)を感じる。


 奥歯の感覚も今回は楽しい。なぜなら幅広い抵抗感を如実に感じることができるから。一本一本の醍醐味と言いましょうか、着実に一本毎にフィットし、クニクニと確かめられる感覚が、いつもよりクローズアップされたかのよう。クニクニというより、「ヌチヌチ!」としたボリューム感溢れる加水低めならではの抵抗感を楽しめます。




<表面のぬめり層が高速さを誘うスベリ!トビハネ注意報>


 幅広でありながら、抵抗感ある麺を高速にすすり上げると・・・・どえらいことになるのです。それはハネの散らかりよう(笑)。もっとも、ご店主は冒頭に、紙エプロンいかがですか?と丁寧にきいてくれたのだ。それを、それだけは抵抗して結構ですと言ってしまったから、後で自分が泣きをみることになるのであります。人間素直さが大切ということ。


 茹で上げナイスであるのは、表面の薄皮一枚・・・・透明感あるヌメリ層を蓄えてくれたこと。この層が・・・全体的なスベリに非常に良い仕事ぶりをしてくれます。多少・・・・汁を吸ってくれるところも、剛麺とならないまでのしなやかさを湛えてくれているようです。スープが多段層であるように、この麺も、茹で上げコントロールナイスなところで、その断面は、多段層なのかもしれませぬ。







【具:後半を鑑み最初からトッピング追加をおすすめいたします】


<薄塩味わいの柔らかいチャーシューは追加したい>


 スープに気を奪われ過ぎですが、このチャーシューも実にちゃんとした仕事ぶりです。洋風な塩豚仕立てであるかのような、落ち着きと完成度。柔らかい上に、スープが肉の繊維質のスキマに入り込み、豊かな味わいに感じる。淡い塩味。なのに・・・どこかしら高級一品的な落ち着きが感じられます。




<茹でキャベツは迷わず追加がオススメ>


 茹でキャベツは、追加しておいて損はありません。しかも、一番単価の安い50円です。このスープの濃厚さには、とても茹でキャベツが合いますし、食べ終わってからとても口寂しくなりますので。前半の淡い味わいのときでも良く合いますが、後半になって濃い味わいになってからは、こいつの存在はありがたいのです。


 その他気になったのは、海苔。これも品質的には申し分なかったと思います。あと辛いネギは・・・・辣油ではなくキムチっぽい味付けがなされています。個人的には、ラー油派。この追加に120円しますので、ならばCP的にもキャベツを推したい!







 総じまして、ベースの確からしさと味の変化に魅了の一杯!そして、意外にも醤油ダレではなく、魚介の使い手であるという裏腹感がいいね!さて、「熟成練り醤油」という、はなっから定番か限定かわからない単品メニューがメイン。なので、これからのメニュー展開がとても考えないといけませんな、こうなると。あと、つけ麺と汁なしで、この系統を高水準で開発すると、けっこうイケルのと違う?と勝手に期待ハードルを上げてみたりしている。とにかく、ここは競争が厳しいので、いつまでも頑張っていただきたい。なので詠います!




  変化する
  味の印象
  加速して


  分類迷う
  無国籍なり


 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!




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