ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1140】 春木屋 荻窪本店 (東京・荻窪) わんたん麺

 この春から少し新しい仕事をしているのですが、周囲にはなかなか変わった経歴の持ち主の方々がおられます。NY州弁護士ってのはオッたまげたが、元高校の先生とか、美大出身の絵描きだとか、元戦場カメラマンとか。ここは、本当に同じ会社かと思えてしまいますが、いたって普通の方々ばかりで非常に和みます。一般会社員とは言え、違った一面を持っている人は羨ましいなと思いました。ならばと私自身に照らして考えれば、「現役ラーメンヲタク」くらいしか胸を張って言えるものがないので泣けてくる・・・。でも、それらの方に何となく同じ空気を感じるのですが、上手く言えないけど、何やっても食っていけるものだという自負というものでしょうか。そういうものを身に着けたいものです。


 そういう周囲とか流行とかどうであろうと流されないラーメンというものもありますよね。いわば定番ラーメン。東京に住むようになって、随分と清湯な醤油系にはまり続けておりますが、定番というのは、飽きが本当にこないものです。いや久しく間が空くと欠乏症になって落ち着かなくなるほど(笑)。





 ・・・などと考えながら、久しぶりに「春木屋」が頭をよぎりもう煮干しなフィーリングに気分が支配されてしまいました。本当ならもっと通いたいこの衝動。されどそれを押しとどめるのは価格設定でしょうか(泣)。今回だけは、押しとどめることなく、思うがままに荻窪に突撃ですよ!狙うは・・・・一番人気の「わんたん麺」。定番中の定番です。





【スープ:!!・・・・春木屋!やっぱり春木屋!!間違いなく春木屋やがな!!!】


<一口目で「春木屋!!」と思わせる伝統と独特な個性煮干しに感服!>


 配膳の瞬間に和むこの・・・トレードマークのような見慣れた麺顔に、1200円というレッテルが頭をもたげますが、清水の舞台から飛び降りてしまった後悔など吹き飛んでしまうというもんです。このゆったりとしていながらも、柔らかい存在感、そのオーラを青梅街道にたらしまくりであります。毎日通う中央快速で、荻窪駅に停車するたびに、頭の片隅に「春木屋・・・・」と呟く私自身がいつもそこにある。そのつぶやきが溜まりに溜まって、無意識にはけ口を求めておったかのような・・・・一気に放出する高揚感を覚えます。抑えられない衝動から、一口すするそのスープ・・・・。

 「!!・・・・春木屋!やっぱり春木屋!!間違いなく春木屋やがな!!!」

 ・・・・と頭の中で魂が叫ぶ。当たり前やがな、春木屋に来とるのやから(笑)。

 何なんでしょうね〜。この煮干感は・・・・。煮干しの苦みと甘味の共存というか、もはやその旨味成分の味が、甘いのか苦いのかすら、分類できなくなるカオスの旨さなのですな。最初の一口目は、煮干しの存在を感じ、苦みの中にジリッとした甘味を感じる・・・・。生姜の余韻か?と感じるが、そうそうその片鱗を感じとれるわけでもない・・・。それに明るいのよね、煮干感が。さらさらのスープなのに、じっとりとした甘味すら覚える。これは「わんたん」の成分が滲み出た肉旨みなのか?というのは、魚介一辺倒でもない緩やかな動物系のコクも感じますしね。優しい様でふところが深い味わいと申せましょう。




<明るさの正体は何ぞや!ラードのコクか?醤油ダレの甘さか?>


 いろんな煮干しを食ってきたものの、トラディショナルな風合いの中に、明るさがとても感じ取れる煮干感がナイスです。この明るさの正体は何ぞと問いかけざるを得ません。表面にスーッと一面に貼られたラードの層がその要因なのか。はたまた、醤油ダレのすっきりしたコクの中に甘さが潜んでいるのか。やっぱり軽やかで微かにでも生姜が投入されとるのか・・・・。


 個人的には、この中の鶏ガラ系の旨味がとてもジンワリとしていて、ねぎの風味と煮干の味わいに貢献していると思いたい。はたまた、昆布だし系のスッキリした旨味が下支えしとるのかもしれへん・・・・。教科書のような煮干しスープに、これほどがっつりと教え込まれる思いをするのは意外だった・・・。







【麺:しわしわ麺が集まれば、それはまるで脳みそのよう・・・・】


<独特で唯一無二なお姿!見映えからグルテンを感じさせますな>


 麺をリフトすると・・・・そこには、いつぞや見た猿の脳みそを連想される、しわしわ麺。縮れが半端なく、捩れ方も凄く強め、幅もかなりのランダムでして、手打ちを連想させるほどの凹凸ぶりが印象的です。そして、その色合い。ラードをまとってきらめいているものの、最初はつや消しな茶褐色かと思うほど風流な色合いをしております。そういえば大脳皮質は灰色っぽい色をしとるのだっけか・・・・忘れた。古風とも思えるヌードルカラーでえして、その雰囲気からグルテンのしっかりさが伝わって来そう・・・。多加水系な麺ですが、ザラツキを思う。実際食ってみても、小麦の味という感覚でしっかりとした麺の旨味を感じる。前歯と奥歯の当たりもヌチヌチとした抵抗感があり、程々に崇高です。忘れてたな・・・・こういう感覚はしばらく。やはり名門と認識してしまいます。




<適度な汁の吸い込みが優しさを誘う>


 このスープの温度がまた超熱々でして、ちょっとやそこらで冷めません。表面のラードがふたを熱を逃がさない構造になっているようですな。そして、その熱に負けじと多加水麺も、潰し込みが良く聞いたタイプでして、汁をバクバクと吸い込むことはありません。適度に吸い込み、それはコシつきの柔らかさと、麺のぬめりっぽいスベリ感覚に華を添えます。 一度に麺をすすり上げると、ズボボボボーとした音と当たり感がありますが、最後はちゅるりんとた軽いスベリであっけない幕切れ。その全体感は、ワイルドとか、トラディショナルというようでなく、ナチュラルと答えたい。







【具:わんたんの魅力に惑う・・・・まさに羽衣テイスト!】


<普通に見えてエエ肉かもしれまへんで>


 チャーシュー麺にすると1300円にまで跳ね上がるのであります。それだけの価値を市場で認められている肉切れ一枚。最近のバラ肉や、レアロース肉のチャーシューとは一線を画する伝統の製法。されどその歯応えは、パフパフでして、私の悪い歯並びをしっかりと噛みクチに写し取ってしますよう。味わいとしては、スープを吸い込んで丁度ええ塩梅になるという薄味仕立て。こういうのは、オッサンの好みにビンゴであります。




<ワンタンの肉味と…羽衣のような皮の余韻に和む>


 さて目的のわんたんですが、肉餡が入ったものと、ビロ〜とした皮が入っていてそれはもう、天女の羽衣のような舌触り(笑)。肉餡のほう
は、割としっかりした味付けで、生姜っぽいエッセンスを感じる、クリッピングが効いた感じがナイス!表面一枚がにゅるん!としたベールに包まれたそれらは、前歯で一噛み、奥歯で一噛みして・・・肉汁を愉しみ、後は喉奥へと導き出し喉越しを楽しむだけ・・・・。旨し!見た目以上に量もあり満足感はありありでしたわ!







 総じまして、流石は名店という気がいたしまして、高いけど、また来たいと思わせるオーラは健在と言えましょう。接客も気持ち良いしね。客層を見ても、ご年配も比較的多く、昔ながらの味わいを求めて来られるいる感じがアリアリとしている。新しい味わいを求め、流行ばかりを追いかけて行くのも段々と疲れて来る年齢になりましたし、私の行く末は、こういうのばっかり食べているジジイなのでしょうな。それはそれで大変満足。ただ・・・・少ない年金で、これを食うのはちょいと勇気が必要なきがするが(泣)。なので詠います!



  何時来ても
  やはりこれぞと
  いう個性


  毎日通えぬ
  その価格なら


 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした! 





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エースコック ワンタンメン 5食×6個

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