【コレ食ったわけ:ここも・・・ある意味総本山だと知り、表敬訪問いたしました】
杉並・武蔵野エリアのラーメン情報をかき集めると、たまに出て来る「丸長系」という言葉。便利な時代なもんで、ググってみるとこちらが総本山のようなので、早速休日に突撃して見ました。実はこちらは、数回訪問して、その混雑と回転のよろしくなさそうな「まったりした空気感」で諦めてまして、実食は今回が初めて!なので夕方からの営業時点キッチリに訪問して余裕をかまそうとしたら・・・・なんと、開店前に6名の行列ができとるがな(汗)。結構有名店やったんやね・・・・。お見それいたしました。m(_ _)m
それにしても・・・・こちらのオヤジさん!マイペースながらも、動きに無駄がなく、たくさんの種類のメニューを一人でこなしています。まるで酔拳の師匠のように、ゆっくりとしていながら、機敏な動きと双璧な感じ・・・。例えば、こちらは茹でがま&平ザルという形式。つけめんと、ラーメンの注文が同時に入ったら、つけ麺用太麺とラーメン用細麺をどばっと一緒くたに釜へ放り込みます。その間、ワンタン茹でたり、餃子を焼いたり、味噌ラーメンの下ごしらえをしたりと、パラレルに作業が進み、しかも無駄が無い・・・・。年季と職人根性が垣間見える技を感じます!
【スープ:醤油がライトだけど「よく効いている!」と感じる質実感がよい!】
カウンターコシにオヤジさんの動きを観察する・・・・・。あ!知らん間に「シュウマイ」噴かしてたんかいな!お隣の席へしゅーっと配されて、ちょっぴり嫉妬を覚えます(ほな注文せえやと自分につっこむ)。くやしいな〜と思ってたら(アホやがな)、そのタイミングで配膳が完了! オヤジさん、アタクシの心を見透かしてたんかいなと・・・少し恥ずかしくなるな・・・・。さて、気を取り直してその印象は・・・、
「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「醤油はやはり程よい塩分がないとな!と思う人の気持ち・・・分かるわぁ〜!】
1)旨味:スパーっと染み入る醤油酸味とコク! ライトボディーにゆったり動物系コク!
最近、こんなトラディショナル系醤油を食い続けているので、そうも驚かんやろ・・・と高をくくっておりましたが、このスープ感は、スパーっと醤油感が染み入りまして、醤油のコクが透明なガラスのように、ダイレクトに響きます。されど余計なもんは濾過されたかのような、サッパリ醤油感でして・・・・醤油と言うからには醤油独特のニュアンスがないと物足りない・・・・という方にはピッタリな感じだと思います。
その微妙な醤油のニュアンス感は、恐らく何時食べても「ぶれがない」と思わせます。ここのオヤジさんは、スープに関するタレや薬味の配合については、目分量で適当という言葉は合いません。醤油ダレを計り入れるとき、調味料をさじですくっていれるとき、ベーススープを投入するとき・・・・、それらビチーッと神経を集中させているという職人気質ぶりです。全体的にはゆったりとした流れで年季というのを感じさせながら、スープのフォーカスはばっちりです。
寸胴にあるスープの表面を、柄杓の裏っかわでなでているような仕草も年季感じるな〜。表面に浮いている油層の適当な部分をすくいとって、これまた仕上げとして、ラーメンに回しかける・・・・。配膳されたその麺顔表面に軽く透明な油層を感じる・・・。これがまた、醤油と鶏豚コクのミックスした味わいにワックスをかけたような磨きっぷりでして、懐古系ラーメンの奥深さをまた知るのです。
2)塩気:醤油の塩分と調味料が結びつき分かり易い塩分
塩気は、醤油由来の清涼感と酸味のある塩味がまず一つ。そして・・・若干の塩の補強か、わずかな調味料のニュアンスの結びつきを感じます。そのバランスは絶妙・・・。おそらく、トッピングのメンマからにじみ出ているのも影響していると思え、単純な醤油の塩気の中に、少しばかりの複雑な構成感を覚えます。
3)香り他:ダークブラウンゆえにはっきりと香る醤油の香り
見た目と香りが一致するタイプです。極めてすっきりな醤油の香りが湯気でゆらゆらと、自然な感じで鼻腔をくすぐります。ただそれだけですが、ホッとする香り。時々ひっかかる薬味ネギを噛むと、その苦みとまた結びつき、一瞬エッジングが際立つ感!ゆらゆらと、なめらかに通り抜けて行くだけの香りが、このお店独特の時間の流れとリンクしているかのようです。
【麺:定番と思えるところに・・・お腹いっぱいになるというありがたさがある!】
さて・・・つけめん用の太麺とごちゃ混ぜになって茹でられている釜。オヤジさん・・それぞれタイミング毎に、親指と人差し指の横っ腹で潰して茹で具合を判断されてます。細麺と太麺交互にね・・・・。そして、ここぞ!というタイミングで、細麺だけを上手に100%選り分けて平ザルで左右回転きかせて湯切りをし、ササーーと言う感じで麺を器に盛りつけます・・・・。テボを使わんでも、太細同時茹ではできるんやな・・・・と思い知ります。さて、その麺の印象は・・・・、
「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「タピオカ麺でもないはずやのに・・・・ほどほどの密度感を感じますがな!」
1)風貌:やや中太てもみ風が素朴に感じて伝統とすら感じる
ここの良いところとしては、懐古系醤油なのだけど、キッチリとした食べ応えがあるというところもヒットします。それはまさしく麺の話。細麺でサラサラとしたタイプが合うかなと思って、麺をリフトアップしてみたら、あらら・・・ちょっぴり太目なニュアンスで、軽く手もみ風なウネリもあって意外な感じでした。外固な感じは一切なく、昔ながらの柔らかいムチムチ感ある歯ごたえかなと・・・・軽く予測するのです。
2)感覚:しっかりした密度感ありつつキッチリ系!やわ麺派集まれ!(^-^)/
そして予測通りの中加水からやや多の方向へ傾斜した感覚の・・・かるいモッチリ感がありますな(笑)。しかも、その柔らか系な腰つきに、頼りないという傾向はなく、割と密度感を感じるという部分もありまして、なるほどこういうところが、分量感も感じさせながらも食べ応えへと結びつくのかと腑に落ちます。表面のぷるっとしたところを前歯で捕まえてスパッと噛み切り、舌というベルトコンベアーで奥歯&喉奥へと誘導し噛み砕く感覚は、適度は柔らかい反発感!脳裏に軽くヌチリという擬音を思い浮かばせては、潔く喉奥へと落ちて行く感覚です。
3)スベリ他:もうお手本のようなちゅるんとしたぬめり
まあ・・・、すべりに関しては実は特段に言う事も無く、普通のちゅるんとしたスベリということで片付けたいですな・・・。おそらく、ここのオヤジさんが十分に吟味し選んだ反発感とスベリですし、そのセンスもナイスと思いますもん。若造がとやかく言うのも本当は恥ずかしい気分なのでありますな(汗)。
【具:決めた!今度はメンマラーメンだ!】
1)チャーシュー(香ばしさも醤油味)
スカスカの肉にスープを染み込ませて・・・・旨さのキックバック方式かい!と予測させながらも、実はその肉は「しっとり」感があり、「醤油感あるタレ」の味わいがしんみりと染み渡っていて、中々単体で旨かったのであります・・・。もちろん、スープを染み込ませても十分に旨いのですが、豚バラロール系の肉脂の旨味とは対立的な肉の味?醤油の香ばしさを肉で知る・・・・といったところです。
2)メンマ(深めの味付け&まるで発酵)
東京の大衆系メンマ!という感じで王道ですね〜。醤油が先行する味わいが深く染み込み、メンマ自体の風味が結びつく・・・・。ところどころ、発酵?を思わせるような風合いをふわっと感じる部位もあり、ところどころ、コリコリするヤツと、クニャリとするヤツとがおり混ざり合って、非常に楽しくなる。最近、この懐古系メンマが異様に興味深いのですが、一度どこかでスパークしてみたいもんです(笑)
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総じまして、今日は二つのブラウンに魅了されましたわ・・・・。一つは、醤油のブラウン!しっかりと透明系な醤油のニュアンスが、ライトと感じられもしたり、またディープと思えたりと二面性ある性格に魅了です。またもう一つは、メンマブラウンかな・・・・。黄土色と焦げ茶のクレパスで、今のアタクシなら上手に絵画のように描けるかもしれない。歯ごたえも二面性あったし、あたらしいメンマの可能性を確信した一杯だったのかもしれません。
そして、何と言ってもオヤジさんの姿勢ですよ!これは、お年をめしておられても、仕事はキッチリというメッセージめいたもんを感じますし!最近口が多い自分がはずかしくなる思いかもです。なので詠います!
悠然と
慌てず手抜かず
飄々と
古びた道具
愛しき相棒
お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした!