ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン873】 いつみ屋 (東京・府中) らーめん

【きっかけは?:春めいてお祭り気分にさそわれたから〜よさこい、競馬、府中にて】

 前日までの雨がすっかり上がり、いよいよ春めいた日差しが気持ちいい日曜日!先週は・・・・車のパンクで泣いたんだよな(笑)。その仕返しとばかり、愛車とデート気分のドライブです。行き先は、府中!よさこいがやっているのを覗きに。時間があれば、競馬場でもいくか・・・・。しかし、その前に昼飯どうするのじゃ?と考えていたら、かねてよりの宿題店を思いつき、訪問したのがこちら「いつみ屋」さんです。でも考えることは皆同じで・・・・・家族連れが行列〜!しかも平均年齢が高い〜!アタクシより少し上にあたる方が、年老いた親にも食べさせたいという感じで2〜3組が並んでました。いやいや、日差しと同じく微笑ましいじゃないですか。こういう行列は、全然苦にならないもんですね〜。

  とはいえ、30分もたてば待ちくたびれるのです。そして入店すると、家族づれの客が醸し出すアットホーム的なオーラと、店なりの「凛」とした空気感もが多少漂う感じがいたします。・・・と思い麺場で集中する店主を見つめると、ご年配の普段着っぽいお姿で麺茹でに集中ですね〜。よくよく見てみると、髪が非常に整えられているがナチュラル感もきっちりとしておられて、気楽さと精密さが混在するなんとも言えない微妙な空気感がありますな・・・。




【スープ:甘い煮干がまるで節系のごとくサッパリとして味わい深い逸品!】

 空いたカウンター席の数だけ、そのタイミングで麺ゆでにかかるのですが、この当たり前の動作が手早いのね!こちらの名物はワンタンメンらしく、ワンタンメン注文の方の麺テボには、ぽん!と言う感じでワンタンも放り込まれます。比較的静かな店内でBGMもなく、ただ家族が「おいしいね」と小声で会話するだけがやさしく響く・・・・・そういう中で、そうっと「お待ちどおさま」と配膳が完了するのです。ほのぼのとしながら、やさしくレンゲですくいあげ、思わず目を細くしながらすする自分が・・・・・じじ臭い(笑)。さて、その味わいは・・・・、


「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「旨みが甘味なのか塩気なのか・・・・区別つかんほど、じんわりやさしい煮干しでんがな!」


1)甘み(旨味):懐かしの煮干し感・・・。関西人も唸るイリコを連想する甘みが泣ける・・・

  昨今の流行とは違う別系統の煮干しを感じますな・・・。所謂、極ニボ、ガッツリと効いた煮干しの苦みでガツガツと食わせるという系統といは別物です。ほんのりと、柔らかい輪郭というか「感じる」煮干しですな。しかも、その中でもまた趣向が違い、柔らか苦みというよりは、「ナチュラルな甘み」が特徴と言えましょうか・・・。この煮干しの甘みの中に、「関西のイリコ系」の風味をダイレクトに結びつけてしまった関西人のアタクシなのです。この柔らかく、ほのかな甘みとよくある煮干しのコクが、何とも言えないこの一杯の特徴と言えましょう!

  他にベースとなる動物系も柔らかいと思います。煮干しだけなら淡麗だけで終わってしまいますが、全体的にあっさり味ながらも、このお腹に染み渡る充実感は、やはり動物系の得意とするところ。じんわりとした鶏豚系が実にさっぱりとしております。煮干しと鶏豚の間を取り持つには、節系とか昆布系とかの助けを借りているのか・・・・・。そこまではさすがに皆目見当もつきませんが、いずれにせよ、甘みの煮干しとサッパリ鶏豚で、スルスルと食わせる、自然な力を感じるスープと感じました。


2)塩気:塩ですら旨味と見まごう・・・ほのかでソフトタッチなアクセル感。完全に出汁の補助。

  この一杯は塩味を詮索することすら無粋と思われる振る舞いが素敵ですな。これは、醤油ダレの輪郭すら把握するのに難しかもしれません。こんなにしっかりとカエシブラウンな色合いなのに・・・。塩が、いろんな出汁の構成物と結びついて・・・・というよりも、感じ方としては、出汁の構成物そのものが本来持っていた塩エキスが、溢れ出した・・・・という感じ方でしょうか。 塩味を追い求めると・・・・イリコみたいな甘みに舌が反応する。そして、もう一度求めると・・・こんどは豚コクとぶつかる。本当に、薄味ではないのだけど・・・・極力、出汁の補助として控えめな塩加減と感じてしまいます。


3)風味・香り:確かに柔らかい煮干しだが、節系にも似た上質な香り・・

  「はい!煮干しらーめんですよ〜!」と出されて・・・・ほわぁ〜ん・・・と感じる煮干し甘い香り・・・・という絵に描いた様子は「ない」。むしろ、個人的には、香りの出方は控えめと感じ、「節系のゆるやかな香ばしさ」程度しか感じなかったのだけど、これはネガティブな意見ではないので誤解なきよう。気分的なものなのだろけど、脚色なしに言えばそんな感じ。でも、それでいいのではないでしょうかね。庶民の味わう食べ物としての、割り切りに似た清廉さを感じる次第ですが・・・。




【麺:当たり前のようなスタンダード麺なのだが、反発感が柔らかく弾むような感覚!】

 一方の麺ですが、当たり前すぎて笑うやさしさが・・・・・、ちょとオモロい? いつもの多加水系の麺よりも少し弾力に幅があるような気が・・・・ひょっとして玉子麺なのかなと・・・(どれだけ食べ比べてもこういうツメが甘いのよね〜)。


「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「細い麺ながら、一本一本のやわらかいモチモチ感が・・・・心の柔らかいところを突きよるがな(泣)」


1)見映え:一目見て懐古系中華そばな、ゆる縮れ細麺で心がほぐれる

  ドンブリの底から麺をリフトアップして、期待通りの懐古系なお姿に確かなものを感じますな。奇をてらわない。そういう当たり前の凄さは、10年前では分からなかっただろうなと、レビューを続けて3年目になりしみじみ感じるのです。手もみとかそういう脚色ない普通のやや縮れの細麺。みるからに、風味で勝負という部類ではなく、柔らかい歯ごたえとスベリを訴えかける品質を感じます。健康的なやや黄色い色合いにも、好印象を感じます。


2)感触:質実なれど楽しくなる玉子麺がナイス!独特の淡いモチモチ感が柔麺を本気で見直させる

  この細麺なのに、「程よく」モチモチとした感触は何でしょうな!非常に食していてウホウホと喜ばせてくれるものを感じます。なんというか、玉子麺独特の弾力というものでしょうか。実は太さは一定なパラレル感はなく、微妙に四角になったり、丸に近くなったり、やや平打ちみたいな顔を覗かせる麺でして、こういうあたりも見た目から、モチモチ感の違いを感じたりもします。実際的にはそういう微妙なセンサーをアタクシの舌や歯自体には入っていないわけで、これは、視覚らの信号が脳にたくさんの情報を与えた為、そのように感性に反応しているのでしょう。目から得る情報量は、一番大きいと言いますからな。とにかく、控えめなモチモチ感を愛したくなる。道ばたの野花が美しいように。何気に見ているレンゲの花が、実は複雑なシンメトリーの組み合わせが奇跡的で、今まで感じなかった幾何学的な美しさを感じるように・・。身の回りの当たり前なことに、実は凄さがあるのだと改めて感じる麺ですな・・・。


3)スベリ:抵抗感を感じないが、不自然な高速スベリもなく、実にアッサリとしている

  きめ細かく、どちらかというと中加水と捉えるべきか、多加水に近いと言うべきかの麺です。なので、性格としてスベリは元々良い方だと思って見ていました。しかし、人間というのはニヒリストな部分もあるのでして、どうせスベるのだろうと思って食し感じていると、若干の喉越しのもたつきが、ちょくちょくと気になるのだな(ワシだけやろな:笑)。若干粘膜に貼り付くのやろね・・・・。ともあれ、全体的には期待通りのスベリの良さ。穿った物の書き方をすると罰があたるな。






【具:昔ながら・・・・と言われる系の中で・・・・教科書みたいなチャーシューの味付け】

1)チャーシュー(やはり醤油ダレの風味と香ばしさでしょ!)

  さてチャーシューは、一転して古風な醤油ダレ系の味わいで、これまた昭和ノスタルジーを感じる部分もありなのだな。周囲、輪郭が、少々色濃く醤油のニュアンスを漂わせる。そして味わうと、少々強いカエシの風味と若干の由来する酸味にも似た塩味を感じる。概ね繊維質なロース部分と思われ、筋肉質のなかにもジューシーな肉味を感じる逸品です。箸で崩れるような柔らかさもナイスですし、チャーシューメンにしても一興な出来映えと申せましょう。


2)メンマ

  メンマらーめんというメニューもありまして、期待させるところですが、一定の品質で、コリコリとクニャリの真ん中に相当する「シャクリ!」とした歯ごたえ。味の浸透も極めてオーディナリーでして、広く受け入れられやすい一品と言う感じ。量としても不満なく、麺と一緒に美味しくいただきました。


3)ナルト・海苔・薬味ネギ

  見飽きたような三兄弟ですが、やはり居ないと寂しくなる・・・。ナルトは少々厚めに切られており、アタクシの前歯の寸法ぴったりな感じかな?最初に感で、スポッと前歯全体にハマったから驚いた(笑)。また海苔は一定の品質で麺を一度で巻いてくって程よし!おしまい!てな感じ。薬味ネギは、適度に入っていてナイス!いつもこのくらいは入っていてほしいもんですな。 




 総じまして、春うららの日曜日の午後というタイミングもあったのでしょうが、春祭りの中で散策して食う一杯は、じつにこういったやさしい一杯が美味しく感じるね〜と痛感した次第です。それにしても、今回の行列客を見て思いましたが、かなり地元に根付いたファンに支えられているなと感じますね〜。ご近所の方々日ごろ食している旨い麺に、ちょっとよそ者がつまみ食いして、旨いのとか、そうでもないとか、パンチがないとか語るのも、少し気が引けるかも・・・。されど、この後、これは旨かった!馬買った!馬勝った!ということで、縁起をかついでいざ府中競馬場へと足を進めます。なので詠います!



  柔らかな
  日差しに誘われ
  桜木の


  小さな蕾に
  いつ見ても笑む (いつ見=いつみ屋)


お粗末。ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。 




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