予め断っておきますが、東京電力のカタをもつつもりはありません。先日、とある番組で、「東京電力は役所以上に役所な組織だ」と、非常に強い口調での批判がありました。確かにそうだと100%思いました。しかしそれを言っていたのが、元役人の方だったもので・・・・いかがなものかと少し考え込んでしまいました。でも、元・(役人)・・ということで、役所も否定してきた立場で、更につっこんで東京電力の体質まで踏み込んで発言されているとしたら、「お役所システム全体」を完全否定しているということになると、また認識を新たに・・・。でもなんで東京電力がこんなになってしまったのでしょうね。
【地域独占事業体だから、ビュロクラシーが根付く温床】
考えてみれば、東京に住んでいたら東京電力からしか電気は買えないですよね。港区に住んでいたら、公共サービスが文京区が進んでいるとして文京区の恩恵を受けることはできず、港区のサービスを受けるしかない。つまり、競争がない世界は、電力業界とあと少しくらいなものです。あとはお役所のみ。
事業環境は、エネルギー環境という点では変化にそれなりに対応する必要あるが、競争環境には一切変化がないわけだから、経営システムとしては古くてもそう問題にならないわけだと推測します。古い組織ほど権威化しますから、あとになるほど変更しにくいのかと。
【公共性が高いがために、役所との付き合い/つながりが求められるのも温床】
電気を使わないと現代社会は成り立ちません。極めて公共性が高いわけですから、いちいち役所の目がひかります。値上げ、値下げは監督官庁の許可がいりますし、また付き合う役所もある程度特定されますから、付き合いも深くなります。今の付き合いが、平社員、主査、課長、部長・・・と大体同じようなペースで出世していくでしょうし、長い付き合いで同じような考え方を共有するようになるのも仕方がないのかと思います。
【人事交流も一歩間違えば温床】
さまざまな業界で、役所からの天下りが問題になって久しいですが、もともとは、長年のノウハウを取り入れて事業に生かしたいという要望であったはずです。これが、本来目的を外れているのが天下り。なので、天下りと言われて非常に不本意な方も多いはずです。間違った使い方の役所との人事交流が、また役所気質をより強化し
てしまうのかと、推測いたします。
【人事制度の問題が温床】
これは、分かりえようがないので全くの推論です。かつての国家上級公務員というのは、やはり学閥がある程度幅を利かせていたとかよく聞きました。そんな風土がもし東京電力にもあったならば、同じような役所気質になるのも自然ですね。霞ヶ関も東京電力も、キャリア級というのは相当な実力者じゃないと勤まらないと思いますし、その結果ある学校の出身になってしまうという結果であれば、あしからずです。これは推論なので、卑屈な発想かもです。悪気はありあせんのでご容赦ください。
ということで、お役所以上にお役所じゃないの?という恐れがある会社には、4つのポイントがあるのではと推察・・・。
1)圧倒的なマーケットプレゼンスがある
2)監督官庁との付き合いがはずせない
3)監督官庁との人事交流が多い
4)どことなく学閥意識がある
皆さんの会社はいかがですか?東電病の予兆はいかが?
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