何となくですが、この一年僕の周囲でよく耳にする言葉です。どういう風に使われているかというと、たいていの場合は、『目標は決まっていて、しかも十分な時間がないんだから、まずそれに向かって走り出そう』という感じです。なんか正しいようで、間違ったようななんとも言えない違和感を覚えるんです。
思い返せば、組織の目標/あるべき姿と現在のポジションの間に、かなり乖離がある場合に使われることが多いのですね。このため、その乖離をどう埋めるか分からない、施策が固まらなくてもやれという意味に聞こえてしまう。落ち着いて考えても分からないものを、どうして走り出してから分かる/見つけることができるんだろうなと・・・。でも、そんな事をいうと、「やらない理由を言っているだけ」と受け取られ、ネガティブなヤツに見られてしまう・・。僕なら、こう表現してほしいな・・・・。
考えたら走れ、そしてまた考えろ
「走りながら考える」というのは、聞こえはいいが実際そんな器用なことはできそうにないと思うんです。走り出したらそのことしか考えられなくなるのが実際だし。人も組織も。それに対して、「考えたら走れ、そしてまた考えろ」というのは、トライ&エラーを前提とした考え方なので、どこか間違っても取り返せばいいやと思える気楽さがどこかにあるし、馴染みがいいように思える。つまり、間違いに対しての寛容さがあるのかなと・・。
突然また、マグロ漁の話になりますが、いくら情報を駆使しても、そういう努力がたいてい報われないのが遠洋漁業。ま・・・・海が決めることだからね・・・。不漁の際の素早い決断で次の漁場に行くか、もう少し待つかを決める。つまり、走り出したからには絶対その場で結果を求めるというのは、人間の傲慢というわけです。そう、「走りながらでも考えて必ず結果を出せ」というのは、人生のピンチ程度の1度や2度の話。毎回毎回、それを求められてもナンセンスだなと思います。
人生も仕事もトライ&エラー!エラーの数ほど成功がある!
なんてね・・・。
マグロ船で学んだ人生哲学 -ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集 (講談社BIZ)
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