神戸から京都への道中、ラーメン屋さんの並びの待ち時間に、気持ちよく読ませていただきました。
前作「Sacrifice」も読んだので予備知識はありました。読み味も期待同等でストイック感が、よかったです。
本作品は、とてもいろいろと考えさせられました・・・・。
この作品では、あの有名な自転車レース「ツール・ド・フランス」が舞台となっています。主人公は、日本ではそこそこ仕事がでて期待されるレーサーなのですが、さすがに世界一の舞台では、かすんでしまうという立ち位置です。冷静と謙虚を持ち合わせた人物で、自分の能力(=宿命?)と、自分の役割(=使命?)というものを、しっかりと理解しています。
僕は、正直言ってこの主人公の考え方が、分かるのに、はずかしながら中年になってしまいました。やりたいことが、他人の成功例に影響されたり、自分の能力以上/以外のことを求めたり、今の状況に文句ばかり考えていたり・・・。自分をこれだけ冷静に見つめられて、自分がなすべきことを自然に受け入れる人間は、僕にとっては超人に見えます。苦しくても、そういう生き方をしないと、真理が見えないというか、自分の人生を歩めないのだろうと、思いました。
自転車レースの世界は確かに特殊で、強烈に求めないと入ってゆけない世界でしょうね。我々の一般的な会社員のモチベーションでは、入ってゆけないでしょうし。自転車以外のプロスポーツも同様。みんなと同じ生き方をしていない方々は、それなりに苦しいのでしょう。
その強烈に求めた世界(エデン)は、実は凌ぎを削る強烈な世界。でもその世界に苦しくても留まり続けられることが喜び。その意味では、今の現実がまったくのエデン。
<僕がこの書籍から得たもの/考え方>
今の仕事がつまらない。将来が見通せない。自分は悪くない。環境が悪い。
一度は、自分が本当にエデンと信じていたのだから、そこを去れないのでは?
だったら、自分のエデンでなんとか自分の役割を究極までやりぬくしかないでしょう。
達成感なんて、自分が決めれば良いです。そういう生き方をしていることが、明日につながると信じます。