ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン2836】 揚子江菜館 (東京・神保町) 元祖冷し中華

<元祖を表敬訪問してみた結果・・・>


 立て続けに、東京で一番ホットな注目を集める「冷やし中華」を食い続けたところで、そんならちょっと「元祖」にでも表敬訪問してみようと言う気になって来る。とあるタイミングで、都内神保町でフリーな時間をゲット出来る機会があったので、本来ならば二郎へと行きたいところを、こちら「揚子江菜館」へと行ってまいりました。この界隈は人気ある食堂が目白押しで、お昼ともなれば大変な行列があちこちで発生中。「さぼうる」なんてすごい状態ですぜ。そんなワイガヤな界隈にポツネンと立派な本格中華屋があって、そこが今回の目的地です。以前から、こちらが「冷やし中華の元祖」だとは知ってはいたのですが、1510円もするので(10円くらいどうとでもなるはず)、この数年二の足を踏んでいた店「揚子江菜館」。今行かないともう永遠に行かない気がしてねーーーー。







 
 いざ行ってみると店内は混雑してて、相席当たり前の空気感です。1名さんならお二階へーってな感じでエレベーターで上がったら、お姉さんおひとり客と同じテーブルにセッテイングされました。こんなオヤジで申し訳ないと言う気持ちで座ると、メニュー表を少しの間だけ一緒にシェアしたりして、微かな胸キュンを覚えますな。ちなみにお姉さんは、エビが入ってそうなチャーハンを、私は初志貫徹で冷し中華ですが、フロア担当は、おそらくこの店の大女将という感じの老マダムで、ちゃんと順番通りにオーダーを聞いているのか心配になってしまいました(だって二回も注文聞きにくるし)。でもいい人!とても物腰柔らかくてさすがに人生のパイセン!。












<クラシカル本格中華には、和出汁の風合い落ち着きもあって和むー>


 人生の中の競争社会では、所詮声が大きいものが勝ちなのか。何となく嫌な予感が当たって、一番最後に案内された「声でか客」から配膳が進む(汗)。やっぱりなーっと思っていたら、次の次に配膳が完了して、とりあえずホッとしたりして対麺といたします。さてその麺顔は、予習の通り寸前の違いもなく素晴らしき「コニーデ型火山」の様相で、その角度が日本人の美観に触れると行った感じです。この三角形だと、どうしても富士山を連想してしまうもの。ちなみに袋に入った箸を丼手前に備えれば、それは富士の麓を走るJR東海新幹線のぞみにも見えなくもないです(無理やりかー)。








 色々具材を崩す前に、スープの透明感が素晴らしい!。余計な脂の浮きが一切ない、これぞ清湯という感じで、澄み切った感じが高級感を高める。じわじわと春雨の隙間からスープがすい上がっていくのが伺えて、中華というより和出汁を感じるような落ち着きがあります。実際に味わってみると、これがまた本格中華の醤油感が凛々しく、かと行ってやっぱり和のエッセンスがありあり。おそらく醤油や酢が本格中華系であって凛々しい中華風味を形成している模様です。一方で、どんこ・・・干し椎茸の戻し汁がとても感じられて、ここに和のテイストをじんわりと感じてしまいます。昔ながらのレトロな中華屋って、こういう感じだったんですかね。







 醤油の風味は中華素材がにじむ味わいと風味がなかなか良いです。ひょっとして八角など滲んでいるのかとも勘ぐりたくなります。また酸味はおそらく黒酢など本格派なのを使っているのでしょう。そこに干し椎茸の戻し汁の甘さが加わった、塩気含んだ甘すっぱい感じがいたします。初めてなのにレトロと思わせる妙な気分と共に・・・。













<美しく整った極細系ストレート麺が麗し!程よくスープの浸透を許し、軽やか歯ごたえ>


 麺はおそらく、こちらの麺料理共通なのだろうと思いますが、意外に極細タイプでして、玉子麺にしてはグルテンの風味もしっかり感じさせるタイプ。中華屋だと麺は二の次って扱いかと勘ぐってしまいますが、さすがこちらは「元祖冷し中華」屋さんなので、気合が入っているのか?。街中華系の冷し中華だと、麺は濡れる程度で弾くような多加水モチモチ麺が多い中、結構後半になったら汁の吸い込みを感じるタイプでして、そこがまた細麺らしい個性です。麺が汁を吸う前は、スパスパと小気味好く前歯で切れ込み、奥歯で潰すとほのかな風味と共に汁の甘すっぱい味わいを、咀嚼で旨味を一体化するのが楽しい。後半はすでに出来上がりつつあるうまさの一体感を、奥歯で潰して分解するような気分で、とことん旨味を味わう感覚が楽しい。







 細麺は、リフトするときに揃うので楽しいね。春雨も時々混じったりして、一緒くたにズボボボボボボボボーーーーーって啜りあげれば、向かいに座っておられるお姉さんが少しだけ驚いてた。すっかり冷し中華に頭が占拠されていて、お姉さんの存在を完全に忘れてたー。いくつになっても、オヤジになっても、三つ子の魂百までもですな・・・・。食い方がだらしないオレ。












<切り揃えられた具材美し! 何気に海老と椎茸が旨し!!>


 勝手な持論ですが、「中華だったら、海老を食えばその店がわかる」と信じ込んでいます。誰も言ってないけどねー。エビリチってマズいことはまずない失敗しない料理なんだけど、それでもエビの味わい、プリプリ感、殻の外れ方、など色々ポイントがあって、美味い店はこれらが全部押さえられているもんです。結論からすると、トッピングの海老がとても美味かった。特に尻尾の身は「チュッ」と啜りながら最後まで食ってほしい。そんなことを考えてたら、お向かいのお姉さんのチャーハンから漂うエビの香りがこれまた素晴らしい。この店、普通に本格中華屋としてうまいのかもしれませんぜ。








 それはともあれ、切りそろえられた、チャーシューの千切り、春雨、きゅうりが素晴らしい。素材感が際立つのがよくよくわかります。えんどう豆すら柔らかさと風味を感じるしー。また頂点に乗った錦糸卵を外すと、中からウズラ卵と鳥つくねが噴火口にスポッと二つづつ入っております。このつくねがまたコリコリしてうすしお味でうまい!。







 メンマと干し椎茸が深い茶色していて、いかにも味が濃ゆいと見えます。しかしびっくりするくらいにあっさりした味わいで、代わりに素材の味がしっかりと伝わる。具材だけでもすごくテクニックを感じる逸品でして、この内容とロケーションならこのくらいの値段はしてもおかしくないなーって思ってしまいました。













 総じまして、「しっかりと裏打ちされたクラシカルな味わい!時代を越えた着実なる旨さ!」と言う感覚でして、価格の高さは感じるが納得感と言うか、説得力を感じる一杯でした。うー、さすがは元祖と言うことですな。高かったけど、いいもん食ったーってな感じです。ところで、この後隣のテーブル客が注文しているのだが、ほぼ一緒に来店して座ったのに、彼らのオーダーが決まる間で私は食いきってしまった(笑)。ごちそうさまと席を立とうとすると、そのテーブルから「この店やすいーーー!」と声が漏れてた。生活レベルの差を感じて、最後に悲しかった・・・・。そんな予想しなかったエンディングでしたが、気持ち切り替えて詠ってもう寝ますー。



   美しき
   富士の高嶺か
   コニーデか



   崇めて食らう
   元祖の冷や中



 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!





東京都千代田区神田神保町1-11-3


さんぽガール Lingさん 神保町編

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カラー版 東京凸凹地形散歩 (平凡社新書)

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