ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン2565】 冨士中華そば (東京・荻窪) 半チャーハンとラーメン

<老夫婦舟経営の穴場的名店 in 荻窪


 「荻窪北口駅前通商店街」にはラーメン店が3軒並んでいて、ちょっと「ラーメンの街、荻窪」っていう雰囲気を醸し出しております。駅からここを抜けて右に折れると、有名店「春木屋」があるという流れで、割とこの3軒は前を通るだけという方が多いです。しかし、この3店舗が中々歴史ある感じで、新参ラヲタを寄せ付けない何かがあるように感じます。「丸福」は西荻窪にもあって馴染み深く、これまでここでも何度か食ってます。隣の「萬龍軒」もなかなか常連しか寄せ付けないオーラを感じますが、そのまた隣の「冨士中華そば」は、さらにその上を行くという感じ。何と言っても、店先に積み上げられたダンボール箱と、中が分かりにくい磨りガラスで、入るのに二の足を踏んでしまいます。そこを、この夜は思い切って飛び込んでみることにいたしまいした。








 入ると瞬間的に泣けてくる・・・暖かくなる・・・そして癒される。そこは昭和の食堂の雰囲気で、浅田次郎重松清の小説にでも出てきそうな、昭和レトロな感じです。老夫婦の夫婦船経営。寡黙な店主と、気さくな女将という型がここでも形式美を感じさせます。カウンターとテーブル席の半分半分の構成。手書きのメニュー貼り出しが、やたらめったら賑やかで、「中華そば店」のようで実は「中華定食屋」という感覚に近い店。売りは定食物のようで、650円が定番ラインのようです。私は、「半チャーハンとラーメン600円」というのを少し大きい声で厨房に飛ばして、やっと一日が終わったーと深くため息をつきます。働いて、嫌な思いもあって、忙しくて。そんな一日のエンディングがこんな癒される空間で満たされて、良かった良かった。












半チャーハン:ラード炒めの香ばしさが食欲を誘う!男料理っぽいざっくり感が余計にうまさを誘う!


 半チャーハンとは言え、半分ではない。半分以上のしっかりしたボリューム感がこれまた良い印象。中々無骨なチャーハンという感じで、醤油の香ばしさもあるが、ラードの炒めた香りが強目に感じられた一品です。パラパラっというより、ラードを吸い込んで、ちょいと貼りつくような感覚。パラパラすぎるとスープをかけて、わざとびしょっとしてしまう自分からすると、ナイスなベト加減です。特に珍しい具材が入っているわけでもなく、チャーシューの深い醤油ダレの味わいが、上手く全体に広がっている。卵の味わいとからんで、マイルドな塩気がうまし。醤油ダレを炒めの途中で、味付けに使ったと思われ、それが若干染まり具合がまだらになっているところも、大衆中華っぽくって良い。特別な味わいというより、よく馴染んだ美味さ。だから安心感を高めてくれる味わい。思わず、チャーハンに没頭しそうになるが、いかんいかん、このままだとラーメンが伸びてしまう・・・・。













汁:「昔ながらの醤油味!醤油の味わい、塩気、微かな酸味がキリリーっとしたレトロな味わい」


 こちらにも、ラードが香味として、うっすらと表面をコーティングしたかのような麺顔。透明度の高い清湯スープに、醤油ダレの濃ゆい色合いが強めに響く感じですが、いかにも昔ながらという雰囲気ありあり。特に荻窪駅前ってところが説得力あります。味わうと、鶏系のすっきり感と豚肉のさらっとした甘みが広がる感じ。そこに醤油ダレのニュアンスの中に、チャーシューのタレっぽい肉味が滲んだ後口が残るところに、微かな酸味を覚えたりします。









 うー・・・醤油ラーメン感覚がいいね! 今風のラーメンとはまた別物の醤油の良さを感じます。さっぱりラーメンに醤油パンチを強目に効かせた感覚かな・・・。このスープと、半チャーハンの組み合わせはベストマッチ。ラード&醤油ダレというコンビネーションが、シンプルで良いね。















麺:「細縮れ麺!強めの縮れが見事なまでに懐かしさを覚え、そしてすすりの楽しさを誘う」


 麺は最近、個人的には久しぶりの「細麺強縮れ」で、ランダムな縮れが素朴感を感じさせ、店の雰囲気ともあっている。打ち込みというより、練り水の引き締まりを感じるようで、前歯で千切るとモチモチというより、ヌツヌツと低反発に潰れ切れて行きます。束になったそれを奥歯で潰すと、横ずれしても縮れの感触が楽しめる。







 すすりあげも楽しい抵抗感ですな。調子に乗ってたら結構熱々で、蓄熱するタイプですから、口の中の上顎を火傷しそうになりましたー。思っていたよりも汁吸いは少なく、最後まで一定の腰つきですすり食えた感じ。チャーハンと一緒に時間をかけて食う場合にはありがたいタイプです。












具:「必要最小限であり最大公約数なるレトロな面子の揃い踏み」


 定番の、チャーシュー・メンマ・ナルト・そして海苔。チャーシューは、昔ながらの小さめロース肉。周囲のタレ浸透が深くて香ばしく味が強い部分が美味しい。噛み締めて食うタイプだけど、そんなに固くもない。その他、メンマとナルト、海苔は一般品質なのだけど、海苔の三角形はどこかを連想するねー。「甲斐」だったっけ・・・「春木屋」だったっけ・・・・。













 総じまして、「日本人の喜びを感じる、レトロ半チャーハン&ラーメン^^」と言う感じでして、これは異様にテンション高く、無心になって一気食いでありましたー。意外と紹介されてないので是非!と言いたいところだけど、忙しすぎても気の毒のような、古くからの常連に悪い気もするようなー。まあ、三軒並んで一番入りにくそうなのもあるけど、入ってみると三軒の中では「一番くつろげます」から、機会があれば。ランチだったら、意外とフライ物の定食がお安くて美味しいかも。ということで、一日の最後はとても癒されました。ありがとうございます。なので詠います!


   年の瀬に
   深きため息
   つく夜に


   しみじみ沁みる
   レトロな中華



 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!





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