ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン2127】 中華そば きび (東京・明大前) つけそば

 仕事納め。こんな日にも、新しいタスクは次々と電子メールで運ばれてくる。午前中は維持でも年内にケリか道筋をつけてやると奮闘したものの、午後は諦めモードで年越し気分でちゃらーっと流してしまいました。そんな気分で、もう夕方になると「納会」気分が高まってしまいました。


 下手な店に行くよりも、納会はいい酒が集まる。それが魅力なんだよね。偉い方はそれなりの尊厳をかけて、たとえ1本でも選りすぐりを持ち込んで来る。この日ばかりは、偉いさんWELCOMEでして、ワインから焼酎、日本酒に至るまで、豪華絢爛〜!良い酒を紙コップでハシゴですよ。それなりにツマミはあるんですが、そんなの胃袋に押し込むスペースがあるなら、いい酒を入れたいという感じで、相当気持ち良く飲みました。


   




 まさに今年一年の憂さ晴らしを、職場で地味〜〜〜〜に実行。ありがたや。
 さてあとは、気持ちを切り替えて、夜の麺探訪に出かけるだけです。酔ってましたので、帰り道に近いところへ行きましょう。できれば新規開拓。という気持ちで検索してみたら、明大前の「きび」さんが検出。ああ・・・ブックマークしたとやん。ここなら安心と、予てから狙いの「つけそば」をいただくことにしました。


   




【甘い醤油と酸味のピッチリ感覚!胡椒はお好み次第!!】


 それにしても、事前予習があったとは言え、ネオ・クラシカルな一杯と言うのは、オヤジ的には少しばかり興奮を覚えます。東京西エリアでは、そのプレゼンスを響かせる荻窪の「丸長」系のインスパイア。あの甘酸っぱくてスパイシーなつけだれの味わいは、一度味わえば忘れられない。いや、初めてなのに懐かしさを感じさせるあのノスタルジックさが、心をとらえるといった味わいですな。結論からすると、丸長オリジナルとは、適度のFit & Gap を醸し出して嬉しい一杯。








 まず、甘さと酸味という基本ラインはさすがに美味いです。醤油ダレの円やかさに、豚の脂の甘みをジンワリと芳醇に効かせるといった旨味の演出がさすが。そこに酢の酸味がじわじわじわ〜と響きだして、いわゆる甘酸っぱいと言う懐古調な味わいのフレームを築き上げます。そこにGapがあるとしたら………酸味がややアクセルふかしているかというところか。実はこのアクセルはたまたまの様で、実は計算されてると後で気づきます。




 次に、僅かばかりの一味の風味が実に甘酸っぱさに合います。キリリとエッジを効かすとはこのこと。酸味と甘みの引き際が、この一味でサラッとさせてくれる様です。思わず……大阪江坂の「えぐち」を思い返してしまいます。しかし、荻窪丸長と比してみるならば、そのGap は、胡椒のふりかけでしょうか。丸長が、これでもか!と胡椒をダイナミックにふりかけてくれるのとは対照的に、一切排除です。その分、刺激度が下がる。そこを酸味の補強でリカバリーしている様な味わい。悪くありません。麺をくぐらせて行くとタレも柔らかく変化してゆきます。それを思えば、酸味アクセルと、胡椒排除は深い関連性を覚えたりします。






 しかし……、目の前に胡椒があるとつい手にとってしまう性よ。後半、胡椒を投入して自ら丸長演出を施してみました。これがまたナイスでして、後半の食欲に火がつきます。ちょっと上品な胡椒感覚だったけど、十分にネオ・クラシカルな味わいを楽しませてくれました。






【何ともモチモチプッチリ弾力の艶めかしさ!引き締まりありあり〜】


 それにしても・・・麺がまたいい!色白で明るい発色、いかにも健康的な多加水ストレート麺です。サイズがいかにも「つけそば」と言う感覚。これも大阪時代によく通った「カドヤ食堂」を彷彿とさせるしなやかさです。瑞々しくもキリリと締まったボディ感。無理のない潰しこみと熟成感がいい感じです。また水切りも完璧で後で残念に思うことは一切ない。見ているだけで、うまい麺!






 まず、その歯ごたえに魅了。見るからに多加水ストレート麺ですが、細麺とも中太麺とも違う微妙な太さがまた良い。麺密度を感じさる締まりがありつつも、適度な太さでモチモチ弾力が重くならない。しなやか気味にプツリプツリと切れ込む感覚が、また艶かしくも旨いと言う演出です。奥歯で束になったそれをプレスする際には、全体的にヌチヌチっとする高反発。風味もいいし・・・・これは、なかなか旨いもんであります。いや〜、久しぶりに多加水つけ麺のうまさを知ったような・・・。






 つけダレの中で泳がしても様になります。ひやあつの感覚はそれほどなくても、タレの甘酸っぱさと、麺のみずみずしさが、なぜか絶妙に感じます。汁を吸い込まなくても、薄く絡むだけでいいというか・・・・。薄味でも酸味は響き渡る感覚。甘さを引きづる。多加水細つけ麺に通じた、あのうまさ表現の片鱗を感じてしまいました。






【細かい具材のぎっちり感が嬉しい・・・】


 具材は、つけダレの中に全て投入済み。なので昨今のつけ麺のように、飾り立てが一切ないように見えるけど、これがまた原点回帰の演出と見て取るのは、ひねくれた発想でしょうか。オヤジになるほど、理屈っぽくなるものでそこはご容赦いただくとして・・・・・、それでもやはり現代のつけそばだと気づかせます。






 質素なようで、実は具沢山!表層だけに浮かんでいるのかと、レンゲでリフトしたらゴソッと出てきました! 細切れチャーシューや、細切りナルト、ネギもザクザク、メンマの小ぶりながらゾクゾクと! 見方を変えれば「手間がかかってる?」のかも。切り刻まなくても、そのままでも良さそうだと一見感じるところを、『麺との絡み』を考えての演出としたら? これは、隠れたファインプレーだと私は考えてしまいます。細かく刻まれて手間のかかった具材・・・そのぎっちり感が、とても嬉しい!



【穏やかな酸味を味わうスープ割】


 最後は、穏やかなる気持ちで、穏やかなるスープ割をいただいてフィニッシュ! 明大前の飲み屋街で、茶道の求道者気分で背筋を伸ばし・・・しずしずといただく私です。最後は儚く。器の内側の縁取り文様と、スープ割の汁の注ぎレベルが、ピントがあったようにベストマッチ!






 味は申し分なし。魚介でなく、淡い動物系の出汁??なのか・・・この日、納会で相当酔ってたので判別つかなかったが、実にしみじみと一年の仕事納めを終えた次第。




 総じまして、「丸長インスパイアなれど、『ネオ』な仕上がり感がナイス!」な一品。これは、ハマるわ〜〜。ここは、必ずまた来ます! 伝統を大切にしつつ、新しいセンスを吹き込む。そうやって進化してきたのかもしれないし、守るべきものを愚直に通すのもまた感慨深い。食う方は気楽でいいもんだが、仕事としている方には頭がさがるね。別の世界で生きてる私としては、こういう一杯に出会うたびに、我に振り返ってみますが・・・やはり、いろいろ反省しきり。この一年もたくさんの人に助けられた。しんどかったけど・・・・感謝だな。なので詠います!



    一年の
    感謝を込めて
    すすり食う



    旨きつけそば
    有り難き哉



 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!




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