暦って実感が沸かないことが多いもんですが、立冬というのもそんなもの。しかしそう言われると・・・意識してしまうものですね。先日の立冬過ぎて、今日も昼飯に武蔵小杉で途中下車して、いつもの「麺やでこ」へ醤油そばでも啜ろうと立ち寄りますと、どうやら「味噌そば」が始まったとのこと。ちょうどスタートの日だったようで、いつもよりプチ混雑です。厨房２名、ホール２名の構えでフル対応。キビキビとしていながらも丁寧な応対で、いつ来てもいい気分にさせる店です。
すぐ終わってしまう限定もいいけど、季節限定ってのがいいね。限定って突き抜けた味わいを体験できる一方、追い求めるといろいろ制約があって、ツラくなるので基本的にスルーしてしまう。ですが、季節限定だと余裕もあり、風情もありでいい仕組みです。あとからホームページで確認すると、昨年と少し配合など変えているらしいんだけと、そんな微妙なニュアンスも感じ取れず・・。「ただ、今年も旨い！」とだけ分かっただけで満足の昼休みでした。
【塩気マイルドで麹も香るシルキー味噌味！】
久しぶりの真っ赤な丼。味噌は赤の丼と決まっているらしい。そしてその鮮やかな赤と背反するように、その味噌スープはじっとりと濁った深い茶色で、見た目は塩分が強そうな味噌風味。発酵の進み具合や強さを全面にだしてくるような色合いが風味よく、啜る前から食欲を刺激しまくりです。
分かっていたけど、改めてじっくりとレンゲで味わうと濃ゆい味噌風味に円やかな塩気、そして麹を思わせる発酵系の風合いがナチュラルに響き渡ります。キッチリと塩気で醸す赤味噌系もいいけど、麦っぽい甘さも混じる味わい味噌がこれまたいい感じです（麦味噌とは言いませんが・・・）。味噌の粒子が非常に細かいのだけど、それでも微妙なざらつきを感じて、これがまた舌に絡みつく所以か。ピッチリした醤油もいいけど、極マイルド仕立ての濃ゆい味噌もいい感じ！
またベースの鶏出汁がいい感じであっさりと感じられてナイスです。味噌を損なうことなく、しっとりとした引き立て役と申しましょうか、表面に浮かぶ油のキラキラさが
【味噌のややザラつくところと地肌のツルツル感！コントラストがナイスな啜り！】
こちらも語りつくした観がある麺ですが、・・・好きです。いまでも。平打ちと言うより、やや平べったい程度のサイズ感が程よく、舌ざわりとか喉越しのシルエットを高めるとともに、適度な歯ごたえがあっていいんです。加水は高めの中のやや低め程度。腰つき自体はしなやかで、芯を残さないタイプ。麺全体で低反発にクチリと潰れこむ様子が上品と言えばそんな感じ。いつもは醤油そばなので、やや褐色に光り輝いている麺ですが、今回はやや白く見えてしまいます。
こちらもスープのニュアンスを感じさせますね。つるつるっと心地よくすべる地肌に味噌粒子が若干張り付き、ぬめりの中に、気のせいのようなザラツキを覚えます。人間って見た目で脳が勝手に判断してしまうものなんだそうで、私の脳味噌はそんな勝手な演算処理をしてしまいます。スープと麺の色合いコントラスト、つるつる感とザラつき感というコントラスト。そういうのが一体となって、誠に楽しめる昼食の極上麺でございます。
【いつもの二種チャーシューも味噌に染まって満足気】
いつもの鶏胸肉は、じっとりと味噌スープが絡んでも、爽やかでほんのりとした柚子が香り、味噌柚子っていう風合いが悪くないですね〜。これは新しい食べ方？（笑）。とにかく今回は特別にパフパフ感が高くて、噛んで飲み込むまでが愛おしいくらい。豚ロースのチャーシューもいつもの適度な塩気と肉旨味の風合い。解けるほどに柔らかく、麺とともに咀嚼して、喉奥へと落とし込んで味わいも気分も最高。その他、穂先メンマも大きくて、繊維も柔らかくて隙間すき間に味噌スープが入り込み、いつも以上に味わい深しでした。やはり、半年振りというのもありますが、久しぶりに名物季節限定を食って興奮しているのかもしれません。何もかも旨く思えてならない。
総じまして、「しっとりさと切れ味感じる極上味噌そば！」と言うそのままの感想で、ひねりなくてごめんちゃい。文句のつけようもなく・・・・旨かった次第。日ごろ味噌を食わない私ですが、この冬は、いっちょ味噌攻めしてみようかしらと、帰り道の冷たい風に吹かれながら思い歩いて駅へと向かいました。冬は冬の楽しみ方ありますよね。なので詠います！
風強く
立冬過ぎて
冬仕度
麺やも準備
味噌そば季節
お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！
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