【今週のラーメン１９１１】 NOODLE DINING 鵺 NUE （東京・中野）特製鶏白そば・大盛り

　何気に今年のゴールデンウィークは天気に恵まれましたね。ずーっと天候に恵まれたのはあまり記憶にないかも。何気に食べ歩いた大型連休でしたが、それなりに家族サービスも影ではやっているわけで、この日は休みにしかできない「家のカビ対策」をするために、東急ハンズまで薬剤や資材を買いに出かけ、その帰り道に中野で下車して食うことにしました。ちょうどランチタイムのど真ん中でして・・・・・これならどこへ行っても混んでいること確実。ならばということで、まだ比較的知られてない新店舗へ開拓気分でラーメンをいただくことといたしました。計算通りに空いていたわけですが、結論的にはとても甘くて大満足。今回は「NOODLE DINING 鵺 NUE」さんで、「特製鶏白湯そば」をいただきました。少しばかり働いたから、特製は自分へのご褒美ということでご容赦を（嫁に言っている言葉）。

【店：カウンターだけの気軽なバー感覚の作り・・・やはり夜向けのお店「鵺」？】

　これは、バーですな！入店して即思ったことで券売機など置くスペースがないというか、置くことが興ざめと思えるこじんまりした隠れ家的な空間です。それでも五月晴れを取り込もうと扉開けっ放しで解放気分はありましたが。客層が面白い。お姉ちゃんコンビ２組とご家族のみ。私のようなおっさんはおらず、地元の好感度女子はすでに名の知れているということか？いや、味わいが女子でもすんなり受け入れられる質感ということもあるのでしょうね。

　そうは言っても、戸棚を見れば一通り酒が揃って並べかけられてる。バーボンからシングルモルトウィスキー、そして泡盛・眞露から焼酎までのオールキャスト。私の一番好きな、フォアローゼズブラックラベルがきっちりとラインップ。夜はバー営業か？と思いきやラーメンは夜も営業とのこと。ぬううう・・・・横浜野毛のノ貫といい、バーとラーメンの境目もだんだんと無くなってきたのかもしれませんな。こういうのを見ると、「鵺」という店名がなんとなくシックリくるところあるね。

【スープ：純度満点でコラーゲンバランスが絶妙！いきなり高品質な鶏白湯！】

　人柄の良さそうなご店主から直手に受けて配膳が完了。カウンターに正面を見据えて置き直し、なじまじと対麺しますが、久しぶりの鶏白湯というのもある。なんだかラーメンのトレードマークを見ているような、特製ラーメンらしい賑やかな印象に落ち着きを感じます。やはり、しっくりと心に落ち着くのは、スープのパステルカラーから来る朗らかさでしょうか・・・。まさに鶏白湯を絵に描いたような色合いは、スーパー特売り「春先のジャケット１６８０円」的な明るいベージュのカーディガンを連想させて、ほっこりとさせます。これが冬場なら、ラクダのパッチ色とでも言うのかもですが。ともあれ一言でいうと、「とてもしっかりと誠実に作り込まれた」という印象そのもの。突飛なところがないけれど、「コラーゲンエキスを綺麗に感じさせる」というところと、「グビグビと飲み干せる脂と塩気のバランス感」が秀逸といったところか。いや〜、これは予想以上に仕事のできる奴ですよ！

＜しっかりとした鶏の煮出しを感じても・・・貼り着き感抑え目でサラサラ感もあり＞

　見た目からコラーゲン感ありありなスープの表情ですからね・・・。レンゲを沈めるにしてもゆっくりと底から押し付けるような動作で沈め、レンゲの凹みに液体が流れ込む所作を観察。まず粘度を目で測りますが、とろみは、鶏白湯としては割と標準から少し緩めと言った感覚。しかし味わいは実にしっかりとエキス感を感じる丁寧な煮出し感。鶏骨の髄の溶け込みによるエグミもさほどなく、ナチュラルに感じるコラーゲン感です。注目は味わったあとのコラーゲンの口周りの貼り着き感。コラーゲンと言えば、モミジを連想するためですが、これが以外と貼り着き感が低くて、サラサラとした感覚。何もコラーゲン＝モミジというわけではないが、モミジ以外の部位がバランスよく溶け込んでいるような感覚でした。これでもか！という程にモミジを投入するタイプの鶏白湯もいいのですが、こちらのそれは、コラーゲンバランスがとてもよいという印象。なので鶏白湯としては「サラサラ感」と受け止めてしまいます。はたして、どんな部位がブレンドされているのか・・・とても興味が湧きますね。

＜キメの細やかさと程よい塩気加減がたまらない！＞

　醤油ダレまでは感じ取れませんでいしたが、塩加減がとてもナチュラル。まったりとした鶏白湯なら塩をしっかりと聴かせて味わいにエッジを立てるのも好きなんですが、ここでは全てがまろやか。塩気自体にキメの細やかさを感じるほどに、旨味と一体化したナチュラル感じで味わえる次第。ほのかな塩加減でも、鶏白湯も純度が高いとそれ以上は必要ないのかもしれません。

【麺：色白でよくスープに絡むストレート細麺！後半のしなやかさはとてもシルキー！】

　麺がまた上品と感じせるからこれまた嬉しい。麺のストレートさがとても綺麗であり、さらに色白な風合いがそれと感じさせるに十分です。割とエッジが立った風貌も見逃せませんが、歯ごたえのしっかりした優しさと、単なる滑らかさ以上の「しなやかさ」がとてもナイスな一品です。しかも、ランチタイムは大盛り無料サービス。汁飲み干してちょうど満腹という感じの２００g前後？？で、個人的にはマイベストなボリューム感でした。

＜色白美人でとても大人しい風貌、淡い多加水感あるクチリとした歯ごたえ＞

　多加水でも練り水を感じるような黄色い系統で強く引き締まった麺がでてくるものと思って待ち構えてました。しかし、意外にも白い目の感覚で練り水を感じず、大人らしいナチュラルな風合いを楽しめる麺。淡い歯ごたえが印象的で、前歯でプツプツと小気味よく千切ったあとに奥歯へ運び込むと、プレスの際にはクチクチクチリ！と淡い弾力感を与えて潰れ混んでしまいます。

＜後半になればなるほど「しなやかさ」が際立つ滑りの軽さが印象的＞

　そして後半になれば、少し風合いが変わって熱と汁を多少吸い込みにかかります。ここからは、こしつきがよりしなやかになりまして、歯ごたえよりも滑りが楽しくなる次第。熱ダレともイメージが違い、もっとシンプルに「麺がスープに馴染みきった」というような印象。なので口元の当たりから、内頬のタッチ、舌触りでのはこび、喉奥で落とし込むシルエット感など、一連の動作が実にスムースです。

【具：差額１５０円とは思えないサービス感と品質の高さ！】

　
　デフォルトが「７３０円」。特製が「８８０円」、その差「１５０円」。味玉は１００円で、特製ならそれが入ってます。で、のこり５０円のサービスがどうかというと、これは儲ける気あるのか？という程の差を感じてしまうのだが・・・。味玉以外に、デフォルトから変化あるのは、①海苔が３倍、②チャーシューが４倍です。しかも海苔はともかくも、肉は安物では決してない作り込みなので、これだけでもデフォルト以上にもとはとったぞという意識にさせる。さらに質感がいいとなれば、これは特製を頼まないと損をした気分にさせます。

＜炙りの肉厚チャーシューが、なななんと４枚！香ばしさがどこまでも〜＞

　注文を受けてから人数分をハンディーバーナーで炙る肉。これが実に嬉しい！表片面だけを炙りその香ばしさと、裏の柔らかさが同時に織りなす歯ごたえ。分厚さは最新スマホ程度はあるし、適度に脂落ちして食べやすい感じ。そいつが鶏白湯スープを少し吸い込んで旨味がレベルアップ。スポンジのように染み出す味わいもまた格別。

＜深い染み込みが醸し出す芳醇な甘さを感じる味玉＞

　これはテッパン級に安定度固い味わいですね〜。全卵を包丁で二等分して配置されますから見栄えがいい感じ。個人的には味玉は割って出していただいた方が楽だし好きかも。欲を言えばタコ糸で千切られるとより切り口がそそられますが、このようにスパッと整然と切り分けられたのもまた綺麗でうまそう。白身部分も十分に染み込みを感じさせますが、薄味タレなので風味が柔らかい。卵黄は見事な断面でして、ジェルとゲルが渾然一体となった見栄えが素晴らし。味わいも濃厚で塩気含んでいるのに甘くも感じるし、「濃厚なまろやかさ」といった感じで悶絶級。そのほか、メンマと海苔も質感としてはなかなかで、決しておまけ程度でないことを最後に付言しておきます。

　総じまして、「さらにヒートアップで目が離せない中野五丁目のニュー・カマー！」と言う素直な印象。だって、すぐそこには「青葉中野本店」、そして周囲には、「kaeru」「五丁目煮干し」「ほおづき」など多種多様な実力店がある上に、同じ鶏白湯ではあの「ようすけ」と目と鼻の先の距離ですよ。いかにチャレンジャブルな出店かと感じますし、これは応援モードしかありません。この日もう周囲の有力競合は凄い行列状態でして、す〜っと入れてすぐ食えるだけでもいい気分なのですが、この質感ならそこそこ勝負できるはず。行列店になっても少し寂しい気もするが、ともあれしばらくこのエリア全体の定点観測は楽しそうです。また来ます。なので詠います！

　　　休日の
　　　蒼空高く
　　　風揺らぐ

　　　行き交う人は
　　　みな和やか也

　お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！