【今週のラーメン１８２３】希望軒新宿三丁目店（東京・新宿三丁目）希望軒ブラック・味玉入り

　唐突にギリギリとした濃ゆい醤油責めにあってみたくなってしまった。それも、ちょっとばかりマットな濃口醤油味に！以前なら、迷わず大阪京橋にある「新福菜館」に突撃したもんです。関西系チェーン展開のどこにでもありそうな味わいが恋しくなる。どこにでも？？オレもやっぱり「プロミス」なのか・・・。

　そんなわけで先日、とあることから見つけてしまった「希望軒」に突撃。このブランド・・・関西転勤時代には、神戸あたりで頻繁に見てきたため、何時でも食えるわと放置したまま1〜2回しか食っていないのです。東京に戻ってきて急に恋しくなるとはひにくなものです。当時は、「希望軒ブラック」なんてメニュー展開があったのかも不明ですが、新宿三丁目で看板メニューを目にしてから、脳裏のどこかにこびりついていたようです。訪問時は、夜のピークが始まろうとしているタイミングで店内は閑散としている。と言うか気怠い。スタフさんの「・・・ら〜〜っしゃいませぇ〜〜」と言う声の響きが物語っているような雰囲気。私はどうやら招かれた客ではなさそうですが、ホームページの元気の良さがかえって寂しいかも。ま、ええねん、ええねん、旨いもん食わせてくれるんやったらな〜。

【スープ：馴染みやすい醤油の濃ゆい塩気と、気軽な動物系のすっきりコク！】

＜クリアーな漆黒醤油のピッチリとした塩気！熱々温度がシャープさ後押し＞

　スタフさんたち大変そう。お疲れ気味で覇気が薄い中を運ばれてきたそれは、もう漆黒の闇のようなスープ感なんですが、しばらく眺めているとそれほど暗黒でもなさそうな風合いで、親しみも感じます。京都新福菜館レベルの漆黒ですが、それよりやや透明感というか艶やかさがある濃口醤油ベースの見栄え。こういうのには、ニンニククラッシャーを投入してビリビリに感じてみたいのですが、まだ人に会う約束があるので悔しい・・・。だけど、デフォルトのブラックスープは意外に良かった！

　濃口醤油感覚が、とてもいい感じで「ピッチリ」とした塩分を醸し出すようなイメージ。塩気あるけどゴクゴクとなぜか飲まさせられる麻薬的なイメージ。それにまた熱々感がたまりません。もっとくれもっとくれと、脳は要求するので調子にのっていると口の中を火傷する。しかし、この熱さがまた塩気のピントを合わせているような、そんな後ろ盾も感じるし、実に冒頭部分の口当たりはドラマティックで没頭しやすいね〜。

＜クッキリした鶏豚のコクが広がり、調味料が愛嬌を振りまく＞

　醤油の濃ゆさに味が占められると思いきや、割としっかりと動物系の旨味を感じます。脂のきらめきからも鶏の味わいがとてもクリアーで明るく広がる感覚がいい。しかも、スパンとした醤油の味わいにとても合いますし、後味にやや酸味に近いものを感じます。醤油のカエシの残像といった風合いもあるのですが、ちょこっと感じる人間が工業的に作り出した調味料の味わい？いえね、そういうの私結構認める人間でして、愛嬌とさえ感じますよ。しかも、このブラックラーメンとう趣向には、こういう部分がないと成立しないとすら思いますから。

【麺：見映えですでに勝ち！茶褐色に染まり光る地肌がそそりまくる！】

＜茶褐色に染まる光沢感とスベリの良さが、食欲をそそりまくる＞

　
　麺をリフトした瞬間から、もう心のボーダーラインを超えております。引き上げるとブラックスープが少し染みた茶褐色に輝く地肌が眩しい。ストレート麺がまた明暗くっきりと強調されてうまそう。加水はやや低めに感じるのですが、風味感というより、醤油の後味と小麦の風合いがベストマッチ。表面もツルツルしていることから、すすりあげるたびにのベストマッチな風合いが鼻腔をくすぐる思いですよ〜。この風合いが・・・食欲をそそる。二口三口すすった時点で大盛りにしなかったことを悔やむか・・・。

＜密度感低めでスパスパ、クシクシと淡白に千切る感覚＞

　この麺がこのブラックスープにはちょうど良いです。このスープに合わせた特製でなくてデフォルトなんでしょうね・・・。プリプリモチモチより、噛み締めてクシクシっとした余韻が楽しい。また加水低すぎても重たい感じがしますし、適度に淡白に潰れる奥歯のプレス感がなんとも言えませんな・・・。

【具：ダブルに染み入る味玉は、抜けがけとも思える旨さ！】

＜醤油ブラックに染まった味玉！二段にタレ染み込み様な芳醇さ＞

　・・・実は味玉が一番うまかった？（笑）醤油だれがよく染み込んでいるので、そのままでもうまいでしょう。白身には浸透がよく表れてますし、黄身のとろみがややカタメのところが、スープに溶け出すのを防いでちょうどよし。ドバッと全体をスープに沈めても溶け出さない黄身がポイントです。沈めて全体的い醤油スープがいい感じで味まわりしましてそこを一気に食む。すると、醤油タレと醤油スープんのダブルの味わいが深く全体に行き渡り、とても香ばしい塩気が広がるといった感覚！まるで二段仕込みのような芳醇さを放出いたしますがな・・・。意外に、伏兵でありました。

＜肉はミルフィーユの欠片＞

　チャーシューは２枚。大きめに見えますが、極薄ミルフィーユですので、正直言って・・・脂甘くてうまいのだけど物足りないかも。このチャーシューは関西系の定番なのですが、薄肉をミルフィーユ状に盛ってこその発揮なんすよね〜。多少辛口に評するならミルフィーユの欠片かという印象。でも味玉がうまかったので残念感はないかな・・・・全体としてはの話ですが。

　総じまして、「普通に旨いやん！濃ゆい醤油の関西味わい！」てな感覚でしょうか。昔から京都新福菜館で馴染んできた舌にも、十分に個性も感じます。これ位、特徴がないとこの新宿三丁目界隈では埋没しそうですし、関西資本系を応援したいのもありますので、多分また来ると思います。やはり、関西は魚介というより豚鶏の煮出しメインがしっくりくるねん。嗚呼、また関西に帰りたい病が出てきそうや・・・。あかん。せやから詠うわ。

　　　新宿に
　　　夜の漆黒
　　　下り始め

　　　昔懐かし
　　　漆黒汁に

お粗末！ということで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！