休みの日に仕事をしても、なんだか気分がのらない。こんな時は、あまりいい仕事ができないもんだと早々に割り切って退散することにいたしました。やはり疲れが溜まっているのでありましょう。神奈川から、湘南新宿ライナーに乗り込み一眠りしていたら・・・・降りるはずの新宿を通り過ごして池袋まで来てしまいましたわ・・・。引き返すか・・。いや、今日は休日だぞ!ということで、少し足を伸ばして巣鴨へ直行!今や昼だけ営業に変わってしまった名店を狙うには今しかなかろう!という意気込みです。狙いは「Japanese Soba Noodles 蔦」さん! ここの塩だけはまだ食ってなかったので、とっても未練だったのです。鳴龍@大塚ととても迷ったのだけどね・・・・。
で着いてみると、とても中途半端な時間なのに、すんごい行列!こちらの行列の目の前にあるラブホと、マンションは、いい迷惑かもしれませんね・・・。しかし、そんなことを言ってはおれません。これまで、この行列に連結して、スープ切れだと泣く泣く退散したのは、3度ばかりありましたもん。今回は、どうやら食えるようで何より!久しぶりに1時間程度の行列生活を過ごして、溜まっていた本を読むことに集中できました。
やれやれ、店内に誘導されても、まだ待つのか・・・・。とりあえず食券先に買うかということで、券売機を見たら「ローストトマト塩そば」のボタンがあった! 限定品狙いの先輩レビュアーさんが高評価でしたから、てっきり限定品だと思っていたら、レギュラーだったのね!1時間待った甲斐があったわ〜!! 英世1枚を何の苦もなく投入して、スタフさんへと手渡しです。
【スープ:もはや「作品」と呼びたい完成度!トマトと塩気が融合して芸術が爆発しとるがな!】
<貝類の滋味広がり、どこかほろ甘いような塩気がナイス!>
しかしそれにしても美しい麺顔ですな・・・。クロード・モネの睡蓮を彷彿とさせる画ですよ(笑)。ローストトマトと、チャーシュー・・・・そして青菜がキラめいて光の庭という感覚(ウソです)。とは言っても、とっても質感の高さを食う前から感じさせる、そのオーラはすごいや・・・。一通り撮影を終えて、たまらずスープを啜り始めます。
いや〜・・・最初から二つの味わいが響きますな。まずは貝類の滋味。休日のたびに憂さを晴らすようにエチルアルコールを摂取してますからね〜、貝類の味わいがとても有り難いのです。これはシジミではなくアサリ系のさっぱりとした軽やかさがある。貝類のタウリンが何たるかは知りませんが、私のようなオッサン泣かせのキッパリとした中に優しい味わいです。いつも食っている煮干し度合いも低く、それなにに魚介のじんわりした味わいが嬉しい限り。そして塩気がいかにもブランド塩っていう感覚が広がる。海塩のようなサラサラした塩気と、岩塩っぽいミネラル感ありありの香りが広がる塩加減。当然、角は丸く、なんとなく塩気に甘みすら感じる崇高さが印象的です。
<香味のオリーブオイルとトマトの酸味が塩ダレと融合>
当然ながら、鶏ガラ系のすっきりとした煮出しを感じる動物系のコクがまた流石!キラキラと光るアメーバ状の油に、純度を感じます。そして、その鶏のエキスの中に、少し黄色いエキスを感じます。いや黄緑色か・・・・。風味からすぐにそれはオリーブ油だとわかります。香味油に少しばかり仕込まれたのですね。そのわずかなオリーブ油が、とてもミスマッチなようで、実はベストマッチ。塩成分と結びついて実にうまし。オリーブ油と岩塩の組み合わせは、私個人的には大好きでして、冷奴には必ずこれをかけて食うほど好きなコンビネーション。ここで、この組み合わせに出会えるとは・・・誠に嬉しいことをしてくれます。
さらに嬉しいことが続く。ローストトマトの妙技。食いだすと自然と崩れ出す部分が、スープに次第に溶けていきます。そのエキスがナチュラルな酸味であったり、またフルーティーな甘みであったりと、塩だれと香味油の隙間に入り込みまして、旨さが高まります。梅塩ならぬトマ塩っていうような崩れ具合。堪りませんね〜。
【麺:キッパリとした口当たりが次第にやさしくなって・・・とても風流でやさしい細麺】
<熟成感じる風味と、柔らかいクツクツ感が印象的なストレート細麺>
ここの麺も好き!Japanese Soba Noodles を標榜するだけあって全粒の欠片が混じり合った細麺は、とっても和的でとっても風流。しかも密度感が少しありつつも熟成を感じさせるような風味があるように思えます。アルデンテをちょうど超えたばかりのような、淡いクツクツっとした前歯の当たり。ぬるつき少ないけれど、角麺が少し膨れっ面したような形状で、口当たりがとても良い。奥歯でのすりつぶし感は、クチクチっととても淡白。しなやかさが先行する歯ごたえと、申し上げたい。
<汁吸ってからのしなやかさアップで、とても滑らかなスベリ>
割と汁を吸いやすいタイプと改めて思いました。後半にしなやかさは加速して、とても緩やかな感じです。箸でリフトするときも揃いやすく、啜り上げの負担も少なし。なのでとてもなめらか〜に感じる全体感。時々、トマトの崩れた細かい成分が張り付いたりして、部分的に麺としても面白い味わいと感じます。トッピングで麺の味わいも変わるのね〜という記憶が残ります。
【具:ラーメンという枠をすでに越えた仕上がり感!ローストされた肉と野菜】
<洋酒と頂いても遜色ないような仕上げ度合!レアチャーシュー!>
お歳暮でいただくハムセットをはるかに凌ぎますぜって、当たり前か・・・・(ハムセットもそれはそれで好き)。塩気は洋風にも感じますが、改めて肉は塩気で食うのが一番かもと感じさせる一品です。歯ごたえもそれなりにあって、これは酒に合いそう。レアのピンクが変わらぬうちに、白ネギトッピングの上に乗せて熱退避させ、チビチビと3口にちぎって食いましたが、オリーブオイルの香味油も張り付くところがまたいい味わいですね〜。これはこれで参りました。もっとくれ、もっとくれ、もっとくれ・・・・と無意識で頭の中でリフレインしていた私。
<とても肉厚で甘酸っぱいローストトマト!>
さて、最後に真打のローストトマトですが、実はこいつが見た目以上にデカイ!Lサイズのトマトが三分の一かそれ以上はあろうかというデカさであります。なので、まさにトマトにかぶり付く感覚。
ローストされて崩れる身の部分がとても繊維質が細かいため、トロッとして崩れる感覚です。部分的に焦げている部分が剥がれて、スープを漂う姿も旨そうな演出。酸味は熱を帯びてから甘さに転じているのですが、フルーティーさを保つ酸味でして、塩スープに妙に合うのが嬉しいね〜。そういえば、一時期、とまとラーメンにハマっていた時期がありまして、大阪市内を駆けずり回った記憶が蘇ります。茄子の次に好きな野菜かもしれません。なのでうまいと感じるに決まっているので、説得力ありませんが・・・。
総じまして、「その旨さ、麺顔とも・・・芸術的なレベル感!崇高系塩そば」といった感覚。巣鴨を闊歩する昔のお姉さんたちにも、冥土の土産として食していただきたい次第。いや、そんなことになったら行列がまたややこしくなるから、秘密にしておきたいな・・・・、前言撤回したします。それにしても、天気もよく、休日だと余裕をもってラ活ができる。そんな小さな幸せが実にありがたいな〜・・・と心から感じる今が愛しいね〜。いつまで塩の旅を続けようかと、行列しながら好きなことをして時間をつぶしつう・・・・頭の片隅でそんなことを考えたりしてね(笑)。なので詠います!
よろよろと
陽に誘われて
寄り道し
行列並んで
読む文庫本
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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