雨が降ろうとも、槍が降ろうとも、出勤であります。しかも三連休の台風迫る一日に。朝から心落ち着かないのは、出勤してから帰れなくなるのかもしれないという恐れが原因です。やってらんねーぜーーー!と心の中で叫ぶけど、どうにもこうにもならないので、心を鎮めるために、出勤前に塩ラー麺を食うことにいたしました。場所は久しぶりに蒲田。もちろん途中下車。
ほぼどこもこんな日は閉店だろうな・・・と思いきや、午前11時近くになるとあちこちでシャッターが開きます。おお!蒲田の商魂たくましさを感じますね〜。パチンコ屋もしっかりと関係なく営業しておりました。ガッツリ系のお店やファストフード系を通り抜け、なんとなく気にかかってた「エアーズロック」へと参りましょう!仕事前から気分はヘロヘロだけどね・・・。
【スープ:実にシンプル!豚と魚介と塩ダレのみのクリアースープ】
<豚骨のみのシンプル極まる!クリアー&丁寧な煮出し・・・弱った胃袋に染み渡る>
この3年間ですっかりとくたびれたオヤジな私。こういうのを待っていたので配膳の瞬間は、実にほっこりとする次第。580円というこの消費税アップのご時世にうれし泣きの一杯。まことにクリアーな色合い。そこに季節外れの春霞のような仄かな濁りを感じて、実に私個人的にはドツボな麺顔です。嬉し過ぎて写真のピントが合わせにくかったりします。
すするとこれまた淡麗・・・。淡麗の中でも優しさメインな感覚です。豚骨のみの煮出し。大抵こういう系統って鶏ガラメインだったりするのですが、あの鶏独特のつやっぽい油の浮き、ペイズリーのような油の文様が一切なく、ただ豚出汁といったシンプルな構成です。なので胃袋に一切負担にならないほどの優しさがとても印象的です。この辺りの、ドヤドヤした商店街、学生さんたちが求めるガッツリ系が集中するエリアにあっては、独特ですね・・・。
豚のみという動物系の旨味は、ひとによっては頼りなく思えるかもしれませんが、それをカバーするかのような魚介の落ち着きが、オヤジにはまたたまりません。中野にも豚そばってのがあって、私はとても好きなのだけど、それよりもまたすごくシンプルな味わいに、私は少し応援モードにならざるをえません。
<塩気のエッジングも仄か、エアーズロックがジワリと染み渡る甘み>
塩のエッジングがとても淡いのもまた印象的。シャープさが一切ないと言い切ってしまいましょう。とても丸い塩気で、塩ボディー感は豚コクと魚介の陰に隠れたような味わい。そこに、肉片の味わいがじわりじわりと染み入るといった構図です。豚のタレの味わいが甘く、時間が経つにつれて独特の雰囲気を少しですが醸し出す感覚。これは、塩!という個性が甘さと感じるフィーリングですかね。
【麺:軽やかでぼそっと一気に啜れるスベリ感、そしてクチリと淡白な歯応え】
<加水やや低めな細縮れ麺、クツっとした歯触りと淡白な潰れこみ>
加水はやや低めな印象で、基本的にはストレート麺ですが、マイクロウェーブが効いているような見栄え。練り水の個性でやや黄色くほんのりと透明系な印象を与える地肌感。前歯の当たり方が、最初は淡くボソっとさせて、徐々にクツっとさせる。更に汁を吸い込むにつれ、クチリクチリという淡白な潰れ込みへと変化していくというイメージ。これは奥歯の潰し込みでは如実で、束になった麺をクチクチとリズミカルに臼歯ですり潰して無心で食いつつ出ました。
<表層の煌めきの通りに高速にスベリこみ、一気に食いきれる軽やかさ>
マイクロウェーブの感覚で、当初ズボボボボボーと吸い込むのが楽しく思える。塩ラーメンというより、塩そばっといった感覚で高速に啜り上げて食えます。麺のボリュームのやや少なめな方で、あまりにも勢い良く調子にのって食い続けたもんだから、一気になくなってしまいました。口当たりよりものど越しシルエットがハッキリとしていて、のどのつっかえ度合いも少なく、これは飲んだあとの〆としてもいい感じでしょう。
【具:たとえ欠片でも個性アリアリな肉片!甘さとスパイスが印象的!】
<角煮の風味・・・甘さと中華系スパイス感がシッカリ効いた感覚>
テーマにもあるエアーズロックの欠片肉ですね。なるほど・・・これは「角煮」でしょうか。タレの味わいが甘い系に濃ゆくて粘度もそれなりにある様子。バラ肉ブロックか浸透も深くて、どこかしら詳しくないけど中華系のスパイス感も染み入る。それが淡麗なスープに沈み込んでじわじわとタレの味わいが広がる図式ですね。おそらく、塩そばという感覚になりきれないのは、この肉の存在感あればこそでしょうか。
<本当に余計なものがない薬味、シンプル・イズ・ベストで580円は納得!>
あまり語ることも無意味でしょうが、薬味ほどほど、メンマとナルトで引き際があっさりとした印象です。580円ですからね〜、ここに多くを求めてはいけない気がします。青菜のシャキシャキ度が決まれば随分と印象が変わるかもしれません。
総じまして、「味わいも・・・懐にも、やさしい塩そば」といったそのままの感覚。私の蒲田のイメージとはまた違った一杯でして、これまた面白いかと。こちらは、元「図南」さんがあったところですが、そちらも淡麗な塩ラーを提供してくれてて、個人的には応援モードだったのにお別れとなったっけ。通勤経路が変わって今回はもう少し訪問できるかと思うけど、淡麗好きなら一度トライしてみてはいかがでしょうか。なので詠います。
しんみりと
やさしい降雨
気だるくて
オヤジもほっこり
染み入るスープ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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