こんなところにこんな店?という出会いがあればあるほどサラリーマンの生活として嬉しい。むしろ生きがいと感じる一面もありましょう。長らく心の中にブックマークしておりました、武蔵小杉の「自家製麺 然」さんにようやく訪問機会を得ました。この縁なきところで昼だけ営業ですからね・・・(性格には二毛作店)。長らく放置していたのにはもう一つ理由があって、豚魚なら都内にたくさん良い店があるもので、わざわざ神奈川県まで足を運ぼうという気が薄れてしまうためです。おそらく今回の機会を逃すともう何年も心残りを引きづりそうですから、思い切って突撃です。訪問時、丁度満席。開店30分ですから仕方なしか・・・。細長いコの字になったカウンター席ばかりの店内。コの字の王様の位置に案内され、食券手渡し少し待ちます。かなり混んでいるためだと思っていたのだけれど、あの麺なら時間がかかわな。多客のつけ麺とタイミングがそう変わらずの調理時間もきになったけど、一度食ったら納得の質感ですぜ。
【スープ:バランス感ある濃厚さでありながら・・・オイリー感とさっぱり感も両立】
<豚骨と魚介が50/50の分かりやすいマイルドな濃厚さ>
配膳の瞬間、意外の小ぶりな丼に目がきょとんといたします。だって券売機には「並盛240g」とありましたので、通常なら140〜80gあたりが相場な麺量を基準に考えますからね・・・・。それに形が真円を半分に割ったような感じなので、こじんまり感じるのかもしれません。しかしながら、その中身はというと・・・・質実感と重厚さが詰め込まれおるようでして、これは見た目に「こいつ・・・やるな・・・」と密かな対抗心も芽生えます。さてスープ感覚はというと、明らかに濃厚豚魚。しかも魚粉の山に海苔座布団!見慣れた演出。これを溶かす前のスープはいうと、深い茶色にところどころ節の欠片っぽいものが、細かく泳ぐというスタイルです。
蓮華の底をスープ表面に押し付けるように沈めて、蓮華内になだれ込むスープの動きで、トロミのチェックをする・・・。濃厚な見栄えよりは、意外にもサラサラな感じがあります。鶏ガラの仕様もありましょうが、モミジを大量投入しコッテリ度をニューニングアップさせる・・・という重さはないかな。大勝軒のようなサラサラ度でもないけれど、中間的な立ち位置がこれまた「バランス感」と感じる由縁ですね。
味わいとしては、豚骨重視とも魚介重視とも判別がつかないので、50/50ということでご勘弁を!それゆえに重いようでもサラサラ食えるというものかもしれません。塩気などもマイルドでして、魚粉であまったるくもない。香ばしさだけはイキイキと感じられて、後で語るしっかりとした麺との相性も考えられているのが分かる気がするな〜。
<オイリーに感じるまろやか感!意外と重くなくスッキリ>
重くないという意味でスッキリ感ありと表現。世の中の一般的なスッキリ感と直接比較対象ではないことをまずはお断りしておきます。何をもってスッキリか?というと・・・私としては「オイリー」なところがむしろそう思えたのかもしれない。ちょっと矛盾した話だけど。同じ油でも重く感じるものと、そうでないものがあると思うわけで、すっきりとしたラード感?なのかな・・・。レンゲの中に渦巻くスープの流れに中に、小さい旨みの脂がキラキラと輝く。それらはまるで顕微鏡をのぞくと現れる小さくうごめく微生物のよう・・・。香味油も使っておられるのでありましょうが、しっかりとかつ丁寧に煮出されたコラーゲンか・・・。そう考えるとエグミが少ないこともまた、すっきりと感じさせる要因なのかもしれませんな。
【麺:これぞ・・・クッシリ系ハード自家製麺!久しぶりな本格強麺】
<申し分のない加水低めな堂々たる中太麺>
久しぶりにしっかりとした低加水ストレート太麺を食したと実感できました!この麺はハッキリ言って旨し!まさしく自家製麺であります。キッパリとした四角っぽい姿も美しいし、白目の褐色も美しい。きめ細かい地肌も見ての通りだ。ラーメン以外にもこのままつけ麺でも成功しそうであります。油そばには・・・麺が強すぎるかもですが・・・。
まず麺の密度感が高い。熟成もあるけど噛んだときの風味感が素晴らしい。前歯の当たりが、いちいち刺さるようでクッシリと感じる千切れ感。奥歯に運び入れて風味を本格的に感じるのですが、アルデンテではなく全体的に外固な感じでしっかりした歯ごたえ。これが本当の「クッシリ」麺だと思えてならない・・・。強麺から食べやすい麺へと、時代は移ろうものかもしれませんが、これはこのままでアリですよ!アリですって! ラーメンで240gはチョイとヘビーかと思いきや、一気に感触!もっとくれ状態でありまして、旨さは確実であります。
<外固のきめ細やかさが喉越しの良さをアピール>
このキッパリとした外固さがいろんなところにも良い影響を与えていると感じている。その大きいところはのど越しかも。太い麺はのどが突っかえることがあり、それを心配してつけ麺の場合「あつもり」などしていた時期があります。しかし、個人差がありましょうが、麺の張り付き感があって逆効果なケースもあります。それを考えると、この暖かいながらもしっかりとした外が固い地肌感覚は、すんなりと喉を通ってゆき、やや角っぽい形状とまっすぐ過ぎるストレートさも相まって、程よい抵抗感を与えてくれるのです。表面のきめ細やかさも忘れてはならないポイントですね。この麺、どこを確認しても「これ好き!」という感覚しか発想できず、独りよがりが過ぎるところは、お見逃しいただきたい。
【具:圧倒的なチャーシューの存在感!まるで・・・・ビグザムでんな!】
<シンボリックな一枚炙りチャーシュー!>
この一杯には、まだアピールポイントがあります。それはチャーシュー!炙りも施されていますよね??スープをかぶって分かりにくいですが、仄かに香ばしさが食欲をそそります。それにデカさ!存在感ありありでして、一枚が丼の中に平らにおさまりがつかないほどのビッグサイズ。しかも作り込みが丁寧な美しさがあります。さらに厚さも適度で非常によろしい。これ一枚で飯何杯でも食えそうです。
味わい的には、肉自体の味わいをメインにしたところがありまして、繊維質部分と脂身の両方の個性をぶわぶわぶわ〜と味わえます。醤油ダレの漬け込みはほんのり。だからこそ炙りの風合いがストレートで出てくるのかも・・・。このボリュームと質感でデフォルトですから、この辺り一帯では最強のチャーシューなのかもしれません。
<海苔とメンマも質実・・・チャーシュー印象に圧迫気味?>
最強のチャーシューのあおりをくらっていうのは、海苔とメンマかな・・・・。一定の質感を感じるのだけど、肉に押されて印象がどうしても薄く感じるのは仕方のないことかも。海苔もパリッとして風味もあり、メンマは染みこみ系でクニャリとした味わいと歯ごたえがスープとの一体感としてはなじんだかという印象・・・。
総じまして、激務というより・・・・蓄積された夏の疲れが一気に出てきた感があり最近ヨロヨロな私を、この日は立て直してくれた一杯。感謝であります。この店は・・・おそらくまた近くを通りかかる際には、また寄るのだろうな。横須賀線なら横浜方面から大崎・新宿へ一気に駆け抜けらる。それを武蔵小杉で途中下車させるまでの吸引力をこの一杯には感じる。恐るべしであります。この分なら夜の部の味噌系も期待がふくらむ。なので詠います!
ゆるゆると
ダレて疲れが
蓄積し
シャッキリせんと
クッシリ麺食う
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。
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