妙に色気づくのが自分でも気持ち悪いのですが、素足にローファーを履きだしたのであります。以前、石田純一の素足履きとか、若者ファッション紙などを見て、自分とは全く関係ないなと思っていたのですが、ユニクロとか、H&Mとか、GAPなど、量販店をぶらつくだけで、なんとなく、自分の普段着が急にダサく思えてきたのであります。そんな微妙な私の心の変化を嫁はんはどう思っているのだろうと思っていたら、つい先日、当人からこんなことを言われた。
・・・・アナタ、最近やっと服のセンス平均になってきたわね。
・・・・だったらもっと早くからアドバイスしてくれよと・・・・(泣)。まぁ、よく聞くと、一緒に生活したてのころアドバイスしようと思ってたら、最初の段階でうるさいと私が言ったらしく、このことがあって服選びは口出ししないと決めてたそうだ。さらに、一緒に外出して、私の服センスが相当悪いと思ったときはどうするのと質問すると、
・・・・微妙に距離を置いて他人のふりして歩く。
だってさ(笑→号泣)。ネクタイなど、女性に選んでもらうとどうしても「かわいい」絵柄になってしまうのが自分の感性にひっかかっていたのだが、いちど素直に取り入れてみるのも、分からない自分のセンスを開発できるかもで、面白いかもしれんと思うのでした。
・・・・などと考えながら歩く中野駅北口です。サンプラザや、商店街がイメージなこのエリアですが、再開発されて大学ができたりと一気に整備がすすんで、ちょっと先端的な空気感もただよいます。・・・中野らしくない中野。服のセンスを変えたようなこの街に、どこか共通項を感じてしまって、なんとなくぶらぶらしていて気持ちよいです。ならばと・・・・・今夜の一杯は、普段食わない系で攻めるか。ということで、「担々麺」でちょいと有名なこの店を目指すことにいたしました。煮干の新しい店や、濃厚とんこつの進出店も非常に気になるのだけど、そこはいずれね〜。
【スープ:ちょっと辛めがいい・・・山椒や辣油が少なくとも十分に充実できる辛さがそこにある】
<辛さ自己調整可能な適度さ!少し味噌っぽいと錯覚する芝麻醤の風味!>
いかにも可愛らしくもコンテンポラリーな器が印象的のこの一杯。辛さの注意書きに少しビビって大辛は避けて中からにしたものの、中々の濃いような色合いです。担々麺の場合、甘系なのがありますが(例えば芝麻醤の色合いが明るいオレンジ色)、どちらかというと辛い派な私。折角辛いものを食べにきたのにちょっと腰抜けだったかと反省します。さてさて、それにしてもこの濃い色合いは、久しぶりな感じです。
スープにレンゲを落として観察すると・・・中々のサラサラ感。そして・・・辣油感が無いのがこれまた意外です。山椒の粒もそれほど見当たらない。この他目を惹くのは海老をクラッシュした物体の赤色のみ。そして啜るのだが、さらに意外でありました。
・・・醤の発酵感が少し全面にでて辛さの中に淡い酸味!
まるで味噌のような芳醇さと辛さがジワジワと攻めて来ます。ジリジリと来るような中国山椒の攻めはなく、かといって辣油のシャープさはなく、スープの芳醇さがグイグイと攻めて来ます。その中に、常識範囲をギリギリ越えない辛さが滲み出ておりまして、これは中々体験したことのない担々麺タイプですかな。もっとも、それほど担々麺に明るいわけではありませんが・・・。
「辣油で攻めるのでもなく」「山椒でジリジリ効かせるわけでもなく」「芝麻醤の甘さ一辺倒でもなく」・・・実に面白い。はっはっはっは・・・・まるでわからん。
<香ばしさはナッツではなく海老!これがまた合う>
担々麺と言えば、カシューナッツなどの歯応えと香ばしさだ。ところがこの一杯にはそれを感じない。歯応えは、それなりに挽肉に反映されているようだが、香ばしさの構成がまるで違う。既述ですが、海老です。この海老感がカラっからなまでに香ばしく、歯応えも細かく軽い。担々麺に甲殻類の香ばさなどミスマッチもいいところだと思う。だって、元々は四川料理。山奥の料理で、そもそも本場の担々麺は、汁系でなく汁なし系が一般的。もっとも、カシューナッツ自体は、中南米原産だからこれまたマッチしているようで、ミスマッチの極地なわけだが・・・。
とにかく、担々麺と記憶している味わいの記憶の中に、海老の香ばしさの結びつきは記録されておらんわけだから新鮮な受け止め方をするわけだ。それは分かるが、違和感のあとに深い親和性を感じてしまうのは、一体どういうわけだ! いつも食ってる芝麻醤とはニュアンスが違うスープならではのことか? 濃くも発酵感ある担々スープに甲殻類の香りは実にいい印象であります。
【麺:低加水の細縮れ麺が・・・・スープにも挽肉にも良く合う!】
<加水の低さがスープによく合う!>
なんだろう・・・今夜のこの一杯は、不慣れな分野なせいか新鮮に感じますな。この変わった濃厚担々スープに、加水の低い麺のニュアンスが実に合うではないか!しっかりと咀嚼の間に粉感というか、麺の風味をしっかりと感じてこれまた良いのであります。マッチングがええ!と感じます。
歯応え的には、芯をほんのり感じまして、その芯じたいにも粘りがあるかのように、くっっしり〜と感じる前歯の当たりの感覚。割と細めんでありますんで、少々束になってもその弾力は一定にも感じます。奥歯の咀嚼においても鼻腔に香る濃い芝麻醤のスキマに、粉感を感じるような錯覚。
<縮れっぷりが挽肉をよく絡めてくれる>
しかも細麺かつ縮れ麺であるので、スープの絡みがよく、おまけに麺同士のスキマに絡まる「挽肉」がええ!大量に引っ掛けて来る場合があり、これまた歯応えに挽肉感がプラスされ、もうバクバクと食い進めるのみというまでに、理屈無く旨し!であります。
この担々麺なら、酒を飲みながらでもいいかも。主食のようで、お酒のアテにもなりそうで、〆の一杯にもなりそう。そういうポテンシャルの高さは、この麺の質感にもあると感じます。すべりはゴツゴツして抵抗感ありありなのですが、この一杯にとってはそれが良いと思える。大盛りにしておけば良かったかな・・・。
【具:白飯何杯でも食えます!この挽肉なら!】
<挽肉がこれまたふんだんで食欲そそる>
挽肉がこれまたええです。そう辛くもなく、それだけに白飯に実に合うと思えます。これあったらおかず要らず。飯何杯でもくえるねんというやつですな。それほど見た目よりは、山椒のニュアンスや辛味が少ないです。なので、物足りなかったらテーブルの山椒や辣油で調整いたしましょう。辣油を少し垂らすと挽肉に迫力が増しまして、さらにご飯に合いそうになります。
また分量も良いです。結構汁の中に沈んでおりまして、ボリューミリーなのです。麺を平らげて、スープのみを啜る段階にあってもたくさん泳ぐその挽肉。レンゲで追いかけているうちに、スープを平らげてしまうという図式です。
<地味だがザーサイがいい!サービスライスで食う>
メンマの変わりにザーサイという構図です。大きめの切れ端が5枚程度、スープに泳いでおります。結構しなしな〜になってて、歯応えは失われているのですが、これまた何となく愛しくて白飯に合う。そうそう、この店はランチタイムでなく、夜訪問でもライス一杯サービスです。挽肉とザーサイというトッピングだけで、軽く一杯食える。担々麺と白飯ってのは・・・・実にあうのであります。
総じまして、久しぶりの業務フル回転状態で、つかれた体に、担々麺でファイト一発!な夜。ばっちりと目が覚める上に、軽く汗をかいて・・・・夜風がとても気持ちよい。あーーーーー、いよいよ忙しくなるね〜。これから、また夜遅めになって、どこかでラーメン食って満足なる汗を流す季節がやって来るのであろうか。適度の辛さが旨かったように、適度の忙しさが充実感を増すのだわ。何事も過ぎるのはいけない。ほどほど少し上。限界度の3%増し程度の難易度、業務量が丁度ええのであるわ・・。なので詠います!
疲れては
ほおずえ突いて
麺を待つ
ただ淡々と
ほおずきで食う
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
業界最高権威 TRY認定 第13回ラーメン大賞 2012-13 (1週間MOOK)
- 作者: アミューズメント出版部
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: ムック
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: 平岩弓枝
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 江口夏実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/05/23
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (18件) を見る