【今週のラーメン１０５３】おおぜき中華そば店（東京・恵比寿）中華そば

　　先日、恵比寿で朝ラーメンをしたときにネット検索でこちらがひっかかったので、何気にブックマーク。そして自宅に仕事を持ち帰ることと決めて早めに退社できたとある夜に訪問いたしました。本当に恵比寿神社の前にあるのね・・・・。ビルの谷間で都会の喧噪を忘れさせるその静かな佇まいはさすがに存在感あります。小さめの可愛いめの大きさがまた心に和みます。そんな気持ちで、落ち着いた気持ちでいただいたのがこの一品。にぼしそばや、鶏系にも心躍ったのでありますが、まずは基本から。

【スープ：魚介と豚コク＋α・・・のバランス良く】

＜魚介の上品さと香味油織りなす崇高系＞

どんぶりも今風な背が高いタイプで、若いセンスある崇高系スープを予測させます。柔らかいカエシブラウンも落ち着いた魚介エキスを何と無く感じさせる存在感があります。一口すすろう・・・としたとき、香る軽い煮干し系のふわっとした感覚・・・・、それとジリっとした非動物系の香りが鼻腔をくすぐります。軽い生姜を連想させる雰囲気を持つ香味油か？元々ボディーに染み込んだ風合いなのか？非常にさっぱりとした魚介スープは、崇高なまでにスッキリとしていて、まさにゴクゴクと飲めてしまうのです。醤油の塩気というより、風味に徹するカエシ感。酸味を抑え甘コクに映えるような醤油の個性を想像します。

＜豚コクもさっぱりと品が良く＞

豚コクもよく出ていると思います。この半濁りの中に、丁寧な煮出しぶりを感じるのは、さっぱりとしていながらも、薄いという印象が皆無だからでしょうか？醤油ダレをむしろ感じてしまう甘味がナイスと言えましょう。酸味をほのかに感じるのは、穂先メンマの発酵の残り香か・・・・。煮干し系魚介と、豚コクのバランスがよく、一口に何系とは言いにくい・・・。ネギやほうれん草の滲み出すらおぼえる。塩がなくても塩気を創り出せるとか思えたりして（笑）。

【麺：ハリのある凛々しさ！きめ細やかな品やかさ！】

＜クツリ感一歩手前な中加水な歯応え＞

ラーメンではなく、中華そばと呼びたいと思う麺の仕上がりです。太さ標準ですが、ちょいと角麺が膨れ上がったような切り口で、素直なストレートさが、とても印象的です。割と練り水に卵とか、冠水を少なめに調整したかのような、白めな地肌がとても綺麗と思えるのです。

歯応えは、中加水やや低めといった、まさにアタクシ好みなチューニングでして、泣かせます。丁度、芯がなくなった程度の茹で上がりでして、クツクツとした歯応えが、少し進んだような抵抗感んがとても印象的です。ぬめりも少なく、すすって気持ちが良いツルツル感と抵抗感。まさしく、クツリとした感覚一歩手前な立ち位置が、とてもええのです！

＜きめ細やかでスープの程よい浸透がナイス＞

やはり麺は、中盤が面白い。食べ始めのスープと麺のシナジーの出始めなころの食べ心地も、新鮮さがまだ残っていてドラマチックなのです。しかし、あたくしは、ちょうど組織的に一体化を成し遂げてさあこれから！といった状態のスープに馴染んだ麺が、最高だと思うのです。今回のは、まさにそれでして、とてもええ思いをさせていただきましたわ！そして、後半のマチュアな印象が深い麺もまたよし！加水の感覚で、ストーリーがありますね。

【具：何気無いチャーシューがひと工夫】

見た目以上に凝った肉です。これは、赤身の旨さを表現するスープです。しかし、脂うまさも含んでいます。さらに、ひと工夫が泣かせます。向かって右側の肉をハグっと食むと、香ばしい！見た目に気づかない程度に、炙りがとても効いています。ハンドバーナーの仕業か？不明！・・・・そして、穂先メンマが・・・・・好き♡ 大阪城北詰の名店マダムを思わず連想する・・・。