ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン864】 中華料理 宝華 (東京・東小金井) 宝ソバ

【これは熱血大衆中華のスタジアム!好っきやぁで!こういう雰囲気!】

 なんでか東小金井駅近くの大学が、今回のTOEICの試験会場です。今回も若者に入り混じってオッサンが英語の試験を受けにいきました。あまり勉強も進んでないし・・・点数は期待できないけど、東小金井ときたら・・・・「宝華」があるやん! 最後の長文のところではすでに頭が宝華で半分支配されとりましたわ(笑)。

 とまあ適当にテスト済ましてこちらへと急ぎました午後3時半。満席。外待ち5名。号泣。こんだけカウンターとテーブル席があって、この半端な時間でこのような状況なのは・・・・・・・「旨い」し「安い」し「ボリュームあり」だからでしょうな。こちらは、鶏のから揚げとか、マーボー豆腐などの定番中華も、めちゃめちゃ旨いらしく、家族連れやら腹すかし学生がひっきりなしに訪れるようです。その旨さは・・・なんとなくカウンターに座って厨房をみていたら分かるような気がするね!

 さてこちらの調理場は、独特のリズム感というのか・・・・唸り声とも奇声とも判断がつかないものを、年季の入った調理人4名が交互で調理しながら、発しているのが、「かっこええ」のです。例えば、重い中華鍋をふるうそのタイミング、オーダーをキャッチするその合の手のように・・・・・

 調理人A「ぅーーーーー〜りぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!」
 調理人B「せいぁぁぁぁぁぁ〜〜〜・・・・!」
 調理人C「とぅるぅぅぅぅぅ〜〜〜あぁぁぁぁぁぁ〜・・・・・!」
 調理人D「ぁああーーしたぁぁぁぁぁぁ・・・・(ありがとうございました)!」

 ・・・・という具合にね(笑)。見ていて飽きません。すると、その中の調理人のお一人が・・・・オーダーが少し混乱して料理を出すタイミングが遅れたらしい・・・・。それを戒めのごとく、ぼそっとつぶやく声が耳にはいる。

 調理人B「・・・・・お客を待たせる仕事じゃダメだな・・・」

 めちゃ渋いやん!プロ根性を垣間見たような瞬間でしたで!まさしく、年季の入った大衆中華料理のスタジアム!こんなええ店やったらもっと早く足を運んでおくべきやったわ!





【まさしく「中華」の油そばという感覚がとても新鮮!】

 実は着席してから結構待ったのだ。しかし、待つ間、これだけ回転してあれだけの料理数をこなすのだから、仕方ないという気持ちですな。というか壮観とすら覚えますよ。しかしアタクシの一品は、いきなり唐突に配膳が完了!ずっと見てたのに・・・。いつワシの油そば仕込んどったんじゃい。。。と思えど、とても普通の標準語で「お待たせいたしました」と丁寧です(ちょっと別のワイルドな出され方を期待してた・・・・)。 そして、麺顔をじっくりと拝顔し、まずは汁から分析〜。ちょっと行儀悪いけど・・・。


「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「食べなれた油そばやのに・・・・・、原点回帰みたいな未体験の感覚があるで!」


1)ホンマにオイリーや!しかも油自体が出汁になっとるっちゅ〜のが堪りまへんわ!

  色合いとしては、普通の醤油ラーメンスープのようなカエシブラウンです。しかしそのまったりとした透明度と、タレのテカり具合がまさしく「オイル」そのものな感じを受け取ります。レンゲが無かったので、混ぜる前からドンブリを両手で持ち上げ、タレだけを味見するという暴挙を実行に移し味わいます。すると・・・・・まさしくオイリーなコクがクチいっぱいに広がりながら、実はオイルそのものが「中華風のエエ出汁」と化しているとしみじみ思いますよん! なんというか、油そのものが多少の塩気を感じる旨味な海でして、ええ塩加減なのです。このタレで飯何杯でも食えそうと思えるシンプルな旨味。そやけど・・・・ありそうで無い中華風の旨味を深く感じますな・・。鶏油とラードのコク旨が、まさしく中華出汁!という感じです。


2)辣油を追加で織り交ぜても・・・・辛さを丸め込む?

  テーブルセットに辣油とお酢がありましたが、半分ほど食べすすめてから辣油を投入しました。そのままデフォルトの塩味でも良かったのですが、せっかくですから味を変えてみたくて・・・・・。しかし、入れ過ぎると台無しになるので、そこは注意深く少量でスタートします。しかし、段々と辣油量がエスカレートしてくるというか・・・・ホットな辛味が出汁に吸い込まれて丸くなるというか、結構な量を投入してもド辛いということにはなりません。すっかりとタレの色が、カエシブラウンから・・・辣油オレンジに変貌してしまいましたがな。シャープな辛さを求めたつもりが、マイルドな辛さになってしまうという顛末です。


3)まるで卵黄入りかと思うほどコク豊か!

  麺をすべて食べ終えると、ちょっとばかりのタレの海が残っています。程よい辛さ故、通常なら白ご飯にかけたいと思う塩辛さなのですが、そのままゴクゴクと飲み干せる程度の旨辛な味わい。しかし、透明な色合いに反して、「卵黄でも溶けとるんかいな?」と思える微妙な乳化現象を感じ取れます。ああ・・・・この味わいのまま、チャーハンになだれ込みたい気分だな・・・・本当は。中途半端な時間だったので、遠慮したけどね・・・・。


 ※味のまとめ:中華の出汁が油にとけ込んでいるような「旨塩味広がる油」。中華系のアミノ酸と辣油の結びつきがなんとも言えまへん。




【いつも良く見る中華の麺やのに・・・・いつになく愛しく感じる風合いやねん!】

 一方の麺なんですが、実にこれといって特徴を感じさせない・・・・日常大衆系の佇まいは・・・・・レビュアー泣かせというもんでっせ!本当にとらえどころのない標準太さのストレート麺ですが・・・・食うとびびっときまっせ・・・。


「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「いつもの中華麺が、タレとこんなに一体化すると・・・・・もはや別物やな!」


1)ストレートの中に緩やかなしなりと丸い切り口が・・・街の中華麺という感じ

  油そば・・・というと、そこそこの剛麺か、または加水低めなクッシリ麺を連想するのですが、ほっこりするような中華麺風で、ストレート麺。切り口が丸い麺のため、ストレート感が柔らかく目に映りまして、そのしなやかな曲線から、茹で上げがアルデンテ越えな柔らか風を予測できます。トッピングのネギとカイワレの緑との対比で、気のせいかやや黄色く感じる麺の色。旨そうに見える麺ですが、慣れ親しんだ系という感じがいたします。


2)少し多加水系のモチモチ食感とスベリの良さがナイス!

  そしてひとすすりをいたしますと、見映えの予測とおりの柔らかさを体感します。やや付け加えると、思った以上にやや多加水な感じがいたしまして、麺の潰れからがモチモチとするような感触です。そして麺の表面が滑らかでして、その上に油タレをコーティングしておりますから、気持ちよいほどにスベリを感じます。ちゅるちゅる〜とすすり上げるタイミングで感じ、前歯と奥歯で潰すときはクチリ!と短くあっけなく無くなるように潰れる・・・・。


3)少し柔らかめな茹で上げゆえに・・・・油とのからみが絶妙ですな

  ところで、この「宝ソバ」は、看板メニューのようですが、他にもいろいろと麺類があります。なので常連さんは、看板以外のメニューをよく注文されているような気配でしたが、そういう場合の中には「麺かため」という注文も多々見受けられました。なるほど、次回はその手も使って見るかと思いましたが、この油そばは・・・・・・このやや柔らかい目の茹で上げと油タレのからみ方が絶品とも言えるのではないか?という・・・・完成度を感じます。油タレをかぶって、ねっとりした麺肌がいかにも旨そうに思えるので・・・。


 ※麺のまとめ:やや多加水系な中華麺ながら、質実なモチモチ感を感じる。柔らかめの持ち味が特徴で柔麺派の気持ちが分かるきがする!






【チャーシューの塩味仕上げっていうところが、実にセンスを感じるのだが・・・】

1)チャーシュー(薄味ロール!)

  このチャーシューだけは、街の中華屋という仕上げぶりとは一線を画する仕上げです。これは・・・・ラーメン専門店を意識した・・・・「バラ肉薄味仕立ての塩チャーシューロール巻き」でございまする! この一品の全体的な油そばのポテンシャルとは、また違った感じを受けますのは・・・・醤油ダレをベースにして「いない」からでしょうね。 こんなに出来のよい醤油&油の中華ダレを使っていたら・・・・それに漬け込んだチャーシューを出したいと言うのが人情というもの。されど、全く別にアプローチで「塩」ですからね。 個人的には絶賛に値すると思っているのですが! できれば・・・チャーシューマシサービスを考案していただきたい!だって・・・・デフォが650円ですから、トッピングしてもなんぼやねん!っていう感じですもん!


2)カイワレ&ネギ

  このタレに・・・・・実に良く合う!すでに「薬味」という軽んじた扱いでは申し訳ないほどの、影の立役者ですよ。「ただのネギの微塵やんけ・・・」と思ってるかもしれへんけど、青・黄緑・白と微妙にええ感じで混じっているの見映えのグラデーションが、実に決まっていると思うのです。そして、とどめにカイワレが存在するわけです。醤油ダレの塩味オイリーなタレに実によく馴染んで・・・・「ネギ塩」にもにた苦みをプラスしてくれるのです!


3)ナルト&メンマ

  ま・・・・これは一定の品質ということで!ところで「ナルト」ってのは案外作っているメーカーって少ないらしいです。例えば乾燥カップ麺用のナルトだと・・・とある東北地方のある県で殆ど作っているそうですから・・・・・。なので、ナルトのコメントってのは・・・実は毎回しんどい(笑)。あとそれと、メンマですが、これは・・・・辣油を垂らすとよい酒のつまみになりそうな薄味の柔か系です。細かい千切りにして、キュウリと敢えて「突き出し」にでもなりそうな品質ですわ・・・。
 
 ※具のまとめ:アプローチが違うチャーシュー、それとシャキシャキな微塵ネギとカイワレが・・・とても異彩を放っています!




 総じまして、これぞ中華屋!という雰囲気にのまれたこともありましょうが、中華料理のテクニックに立脚した質実な油そばというものを頂いたという感じがいたしました。 ラーメン専門店には、その専門店らしさがあってまたいいものですが、中華屋にもここでしか出せないものも確かにある! ようするに「自分にしか出せないもの」というものをよく理解していて、それを出し尽くすことに没頭しているということなのか・・・・。それを「覚悟」というのか・・・・。40代になっても、まだまだ自分探しをしているような、今回のTOEIC受験の帰り道で一杯食って・・・・・しみじみと考えにふけった夕方の中央線車内でありました。なので、詠います!



  中華屋の
  誇りと粋を
  感じ入る

  
  人気は宝
  技は華なり


お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。 




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