夏目漱石の、「処女作追懐談」という書物で、面白い記述があります。彼は、齢40にして、作家の道を歩むことになったのですが、自らの過去を次のように回想しています・・・。
文科に入ったのも友人の勧め。
教師になったのも人がそう言ってくれたから。
洋行したのも帰ってくるのも、
大学に勤めたのも、
朝日新聞にはいったのも、
小説を書いたのも皆そうだ。
だから私と言うものは、一方から言えば他人が道を作ってくれたようなものである。
この内容がとても好きで、自分の息子には他人との係わり合いの大切さをこめて「友」の字をあてました。まだ幼稚園ですが、春からは小学校に上がります。諸事情の関係で、少しばかり妻と子供と離れてすごす事になりました。
私は、この典型で全て他人に支えられてきて今があるようなものですから、ひとしお夏目漱石のこの言葉が身にしみて感じます。いつか、息子にこのことを自分の口でしっかりつたえられるようになるのかなと・・・・。
まぁ・・・・いろいろとままならぬことが多いですが、夏目漱石の言葉をかみ締めながら、なすがままなり・・・・・。
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